米国が堅実に台湾支持を維持する状況のなか、中国は同自治国家に対する軍事的圧力を引き続き強化している。 米国国防総省のニュースリリースが報じたところでは、2021年10月1日以降、台湾の防空識別圏(ADIZ)に「挑発的」に侵入飛行した中国軍用機は延べ100機超に上る。米国国防総省のジョン・F・カービー(John F. Kirby)報道官は、「こうした軍事的策略は米国が安定と平和を望む世界の一端の不確実性を高めるだけである」と述べている。
米国は台湾が自主防衛力を確立できるように支援していると説明したカービー報道官は、米国は台湾国民の希望と最善の利益に沿うように台湾海峡両岸関係(両岸関係)の平和的解決を支援する。米国の台湾支援に関する決意は固く、これにより海峡や地域における平和と安定の維持を推進する構えである」と表明している。
軍用機による侵入に加えて、中国は台湾侵攻を模倣した強襲上陸・攻撃演習を実施している。中国人民解放軍の公式新聞「解放軍報」が伝えたところでは、2021年10月11日に中国人民解放軍が台湾の対岸に当たる福建省にある島で海岸上陸・攻撃演習を実施した。解放軍報によると同訓練には突撃部隊、敵地で道路や橋の構築および地雷の敷設を行う土木工兵や地雷工兵、および船艇部隊が参加している。
ロイター通信の報道では、訓練が実施された福建省は中国が台湾に侵攻する場合に地理的関係で上陸部隊の重要な出発拠点になると見られている。解放軍報が公開した動画には、数隻の小型艇に乗った兵士等が海岸に強襲上陸して、発煙筒を投げつつ、防御側の有刺鉄線を突破して砂地に塹壕を掘る映像が映っている。
同訓練の約1週間前に、アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官が台湾に対する「挑発的かつ不安定化を助長する」行為について中国を非難する声明を発表したばかりであった。ブリンケン国務長官はブルームバーグニュースに対して、「こうした行為には常に誤算や誤解が付き物であり非常に危険である。そのため中国が同活動を停止することを望んでいる」と述べている。 一方、米国は引き続き自衛目的の兵器を台湾に供給している。
2021年8月、米国国務省は台湾への750億円相当(7億5,000万米ドル)の兵器販売を承認した。これには155ミリ榴弾砲40台、野戦砲弾支援車両20台、M88A2ハーキュリーズ装甲回収車5台、そして台湾の前世代榴弾砲の改修が含まれる。台湾はまた、50口径機関銃5機と1,600発の精密誘導キットを購入する予定である。
こうした購買契約は台湾を政治的・軍事的に支援してきた米国の長期的方針に沿うものである。ただし、米国が中国による攻撃の防御という販売理由を明示的に表明することはない。米国は台湾に軍事基地を置いてはいないものの、某米軍士官がウォール・ストリート・ジャーナル紙に伝えたところでは、米国特殊部隊と米国海兵隊の臨時部隊が台湾内で中華民国国軍に訓練を提供している。
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