[東京 11日 ロイター] – 松野博一官房長官は11日午前の定例会見で、10日のテレビインタビューで岸田文雄首相が総裁選で掲げた金融所得課税見直しを事実上先送りした理由を問われ、賃上げや下請け対策の強化を優先するためと説明した。
<矢野財務次官寄稿は「私的意見」>
松野氏は首相の発言の趣旨について、政権が掲げる分配政策の実行にはまずやるべきことがあるとの意味だと解説し、首相の考えを踏まえ「賃上げに向けた税制の強化や下請け対策の強化に取り組む」と強調した。課税見直しの先送りは最近の株価下落への対応か、との質問に対してはコメントを控えた。
財務省の矢野康治次官が月刊誌への寄稿で、与野党の政策論争を「バラマキ」と指摘したことで、与党内の一部から批判が出ている。松野官房長官は寄稿は「私的な意見と理解している」と回答。「議論は大切だが、いったん方向性が決まれば関係者の協力が重要」と述べ、岸田政権の政策運営への協力を求めた。矢野次官の辞任の必要性については回答を控えた。
10日発生した埼玉県蕨市にあるJR東日本の変電所火災に関し、国土交通省がJR東に対して「原因究明と再発防止の検討および利用者への案内が適切であったかとう検証するよう指示した」という。
7日亡くなった落語家の柳家小三治氏について「人間国宝、古典落語の第一人者としての地位を築いた」と指摘し、哀悼の意を表した。松野氏は小泉進次郎氏らが設立した超党派の落語議連のメンバーで文科大臣経験者。「日本の伝統的な文化がしっかり継承、発展されることに強い関心を持っている」とも述べた。
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