[東京/ソウル 15日 ロイター] – 日本政府や韓国軍によると、北朝鮮は15日、弾道ミサイルとみられるミサイル2発を発射した。海上保安庁によると、いずれも日本海の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。
菅義偉首相は日本と地域の平和と安全を脅かすものであり「言語道断だ」と強調。記者団に対し「国連安全保障理事会決議にも違反しており、厳重に抗議するとともに強く非難する」と述べた。同日中に国家安全保障会議(NSC)を開く。
夕方会見した岸信夫防衛相によると、飛翔体の発射を確認したのは同日午後0時32分頃と同37分頃。現在のところ、船舶や航空機から被害を受けたとの報告はないという。
飛翔距離やその軌道、ミサイルが「新型」とされるものだったかなど詳細については「(これまでの発表は)暫定的な評価であり、現在、さらなる分析を進めている。(分析には)相応の時間がかかる」と説明した。
日本、米国、韓国の高官が北朝鮮問題について協議を行ったことなどとの関連性を問われた岸防衛相は「(北朝鮮の)意図がどこにあるかは、予断を持ってコメントすることは控える」と答えた。
北朝鮮のミサイル発射を巡っては、国営の朝鮮中央通信(KCNA)が13日、同国が長距離巡航ミサイルの発射実験を週末に実施し、成功したと伝えていた。14日には日米韓の北朝鮮問題を担当する高官が東京で北朝鮮のミサイル・核プログラムの抑制に向けた方策を話し合っていた。
韓国軍合同参謀本部(JCS)は「北朝鮮が内陸部から東海岸に向けて未確認の弾道ミサイル2発を発射した。韓国と米国の情報当局は詳細な分析を行っている」と発表。韓国軍は監視レベルを引き上げ、米国と緊密に協力して万全の態勢を維持しているとした。
韓国大統領府によると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は弾道ミサイル発射実験について直ちに説明を受けた。
一方、中国の王毅外相は、先の巡航ミサイル発射実験についての質問に対し、全ての当事者が朝鮮半島の平和と安定の推進に向けて取り組むべきだとコメント。記者団に「北朝鮮だけでなく、他国も軍事活動を行っている」、「われわれ全てが対話再開を後押しする方法で努力すべきだ」と語った。
米インド太平洋軍は15日のミサイル発射についての発表文で「今回の事象は米国の人・領土、同盟国に差し迫った脅威を与えていないと評価しているが、ミサイル発射は北朝鮮の違法な武器プログラムに起因する悪影響を鮮明にした」と指摘した。
(内田慎一 田中志保 編集 橋本浩)
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