中国の著名な人権派弁護士である高智晟氏が失踪してから4年が経過した。米国で亡命生活を送っている妻の耿和さんは、13日の声明で、夫は良心を貫く弁護士であり、生死にかかわらず中国共産党(以下、中共)に夫の所在確認を求め続けると述べている。
ツイッターで公開されたこの声明の中で、耿さんは、夫が拉致されてから4年間音信不通で、夫が生きているという情報もなかったという。「この16年間、私たち家族は世界で最も暗く、最も恥知らずな政権である中共によって引き裂かれてきた」と語った。
彼女は、夫は野心的な革命家ではなく、自分の良心のために立ち上がり、中共の人道に対する罪を暴き、中共の醜い素顔を世界に見せた一人の弁護士であると強調した。
「諦めてはいけないことは分かっている。私と夫は36年前に出会い31年前に結婚した。たとえ世界の果てまでの長い道のりでも、彼を見つけなければならない。生きていようが死んでいようが、彼を見つけなければならない」
「私の望みは夫が電話に出て、生きていると言ってくれることだけだ」。耿さんは、もしこの要求が通らなければ、陝西省公安庁の胡明朗・前長官、徐大彤・現長官、荘長興・陝西省政法委員会書記などの責任者に対し、渡航禁止や海外資産の凍結などの国際的制裁を求めるためにあらゆる努力をすると強調した。
また、陝西省公安庁の違反行為を、見て見ぬふりした警察機関である公安部の現部長と前部長に対し、「国際的な制裁を求める権利を留保する」と述べた。
耿さんは、「中共は16年間、夫の決意と忍耐を過小評価し、彼を屈服させることができなかった。これからは、私の決意と向き合わなければならない」と締めくくった。
「中国の良心」と呼ばれる高智晟弁護士は、法輪功学習者など迫害されている弱者を支援したため、2006年8月に弁護士資格を剥奪された。その後、彼は秘密警察に拉致され拷問を受けた。同年12月、「国家政権転覆罪」で懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた。2017年8月13日、再び姿を消し、現在まで行方不明となっている。
「悪党政権に、厳しい国際的制裁を求める」
米国に亡命した盲目の人権活動家・陳光誠氏は、大紀元のインタビューで、中共が国連で多くの人権文書に署名したにも関わらず、自国民を拉致・失踪させるという国際法に公然と違反していると批判した。
「それを止める方法を見つけなければならない。このような人道に対する罪を容認すれば、高智晟氏一人だけでなく、中国人だけでなく他国の多くの人々にも同じことが起こり得るだろう」
陳氏は、あまりにも長い間国際社会は人権問題で中共の言いなりになっており、中共との対話は機能していないと述べた。「中共が『人権について密室で話したい』と言えば、国際社会はそれに同意し、また中共が『法輪功問題について触れてはいけない』と言えば、国際社会は再び同意した。このような状況では、いわゆる人権対話は意味をなさない」と指摘した。
陳氏は、国際社会は人権問題について十分な影響力を発揮していないとの見解を示した。「中共のような政権と外交対話だけでは問題を解決できない。国際社会は、このような邪悪な政権に厳しい制裁を加える以外に選択肢はない」と強調した。
国際人権NGOの国際人権サービス(ISHR)は13日、「中国で最も勇気ある人権派弁護士の一人である高智晟氏が失踪してから、今日で4年になる。妻と娘を含めて家族にとって、この4年間は不公平なものだった。私たちは、中国当局に対し、強制失踪はいかなる状況においても国際法で禁止されていることを想起する。私たちは、中国政府に高智晟氏を直ちに釈放するよう強く求める」とツイーストした。
国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルは、フェイスブックに「人権派弁護士の高智晟氏が長年にわたり、弱い立場の人々のために弁護活動を行っていたため、迫害や拷問、虐待を受けてきた。彼はどこにいるのか?健康状態はどうなっているのか?なぜ彼の家族は彼と連絡が取れないのか?中国当局は、直ちに彼の居場所を公開し、家族との連絡を認めるべきだ!」と投稿した。
法輪大法情報センターのスポークスマンである張而平氏は、大紀元の取材に対し、高智晟弁護士は法輪功学習者の人権などのために16年間も中共に迫害されてきたとし、「私たちは、国際社会がこの問題に注意を払い、高氏を迫害した中国の政府関係者に制裁を科すことを求める。高氏や法輪功学習者への迫害に関わった中共幹部は、法と正義から逃れることはできない」と述べた。
(翻訳編集・王君宜)