南シナ海仲裁判断の画期的な判決から5年を経ったが、フィリピン漁師のランディ・メグ (Randy Megu)氏は、中国船との遭遇が以前より頻繁になっているとVOAの取材に対して訴えた。同氏は、中国海警局の船が見えることに対して恐怖を感じ、5月に中国船が彼の木製ボートを3時間にわたって追跡されたことがあると語った。
オランダのハーグにある南シナ海仲裁裁判所は2016年7月12日、中国が独自で認定した「九段線」について、法的根拠はないとする判断を下した。しかし、受け入れを拒否する中国政府は南シナ海が自国の領有海域と主張している。今年3月、数百隻からなる中国船舶は排他的経済水域(EEZ)に侵入したとフィリピン当局が発表された以降、フィリピンと中国の間では緊張が高まっている。
フィリピンのテオドロ・ロクシン・ジュニア外相は先月、「われわれは弱体化させたり、それどころか法律や歴史から消し去ろうとしたりする試みは断固拒否」と声明で述べた。2020年7月の世論調査によると、フィリピン人の70%が、政府が南シナ海に領有権を主張することを望んでいるという。
ワシントンD.C.に本部を置く戦略国際問題研究所(CSIS)のグレッグ・ポーリング(Greg Poling)氏は、「データは非常に明確だ。中国海警局の船舶や民兵がフィリピンのEEZに入ってくる頻度は、5年前より高くなっている」と述べた。
2016年以降、フィリピン沿岸警備隊と農業省漁業・水産資源局が紛争海域での中国の活動に対し、128回の外交的抗議を行ったうえ、「主権」を主張するパトロールも行っている。
(翻訳編集・蘇文悦)
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