フェイスブックがオーストラリアで複数メディアのニュースを閲覧制限したことを受けて、同社オーストラリア事業の元トップは、ユーザーはスマホからアプリを削除し、フェイスブックにメッセージを送るべきだと述べた。
オーストラリア、ニュージーランド地域のフェイスブック事業を統括するスティーブン・シーラー(Stephen Scheeler)元CEOは豪紙オーストラリアンに対し、同社の決定は「見苦しい」と述べ、「これは起こるべきことではない。ユーザーはスマホからアプリを削除すべきだ」と主張した。
シーラー氏はさらに、フェイスブックのザッカーバーグCEOをはじめとする経営陣は、巨大なグローバル企業の運営に伴う「お金と権力を気にかけ過ぎている」と述べ、「社会に貢献する」という当初の目的は失われたとした。
「例えば中国の企業がこのようなことをしたら、私たちは憤慨するだろう。全てのオーストラリア人は、このことを非常に警戒すべきだ」と彼は付け加えた。
フェイスブックは18日、オーストラリアのニュースサイトを全てブロックした。これは、同社とグーグルが豪メディアに記事使用料を支払うことを義務付ける豪政府の法案への対抗措置だとみられる。同社によると、ユーザーが閲覧するコンテンツのうち、ニュースが占める割合は4%未満だが、同社は昨年、豪メディアに約3億1500万ドルの売り上げをもたらしたと主張した。
オーストラリアではニュース以外のページも大量にブロックされた。これには慈善団体、政府、公共サービス、中小企業など、ニュースコンテンツを扱わない多くのページが含まれる。
フェイスブックの広報担当者は、米経済テレビ局CNBCに対して「豪政府の法案はニュースコンテンツの定義について明確ではないため、法案を尊重するために幅広い定義を採用した。ただし、誤ってブロックしたページはすべて元に戻す」と述べた。
オーストラリアのモリソン首相はメディアに対して、インドのモディ首相、カナダのトルドー首相、フランスのマクロン大統領、英国のジョンソン首相と会談したと話し、「オーストラリアが行っていることに世界中から多くの関心が寄せられている」と述べた。
デビッド・シシリン米下院議員(民主党・ロードアイランド州)は19日の声明で、「一握りのネットの門番による支配が競争を破壊し、イノベーションを抑圧し、起業家精神を弱体化させた」と述べた。同議員は「オンラインでの競争を回復させる」法案を通すと約束した。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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