中米ホンジュラスから大人数の移民集団「キャラバン」が今、バイデン新政権が発足する米国に向かっている。15日以降、米国を目指すホンジュラスの不法移民約9000人が、隣国グアテマラの国境を突破したことが明らかになった。
米AP通信社などによると、グアテマラのアレハンドロ・ジャマティ大統領は声明の中で、ホンジュラス当局に対して、住民の大規模な出国を封じ込めるよう呼びかけた。同国の移民集団は1月15日と16日、グアテマラ国境警察約2000人を押しのけて入国したという。
ホンジュラス人の大半は、中共ウイルス(COVID-19、新型コロナウイルス)感染症のPCR検査陰性証明を提示しなかったという。
ジャマティ大統領は、「このような国家主権の侵害は非常に遺憾である」とし、他の中南米国の政府に対して、公共衛生上の脅威を回避するために対策を早期に講じるよう呼びかけた。
メキシコ政府は、キャラバンの入国を阻止するために、南部の国境に数千人の警備隊と移民当局職員を配置した。
トランプ米大統領は過去4年間、不法移民の摘発を政権の主要政策にしてきた。トランプ政権は、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルとの間に、米国への入境を試みる不法移民の減少に関して協議を結んだ。これまで、グアテマラやメキシコの各国は、大規模な不法移民集団を阻止してきた。
しかし、バイデン次期大統領はトランプ氏の移民政策を人道的ではないと批判した。大統領選挙運動中、バイデン氏は、トランプ大統領の移民政策「移民保護プロトコル(MPP)」を撤廃することを公約に掲げた。MPP政策の下で、不法移民の9割が国外退去措置、または強制送還された。
トランプ政権はこのほど、同政策の取り消しで不法移民が再び急増すると警告した。
米国土安全保障省の税関・国境取締局(CBP)のマーク・モーガン(Mark Morgan)局長代行は昨年12月中旬、「MPPが消えれば(米国は)壊滅的な打撃を受ける」と危惧した。
バイデン氏側はMPPの撤廃のほかに、不法移民の入国を防ぐ国境の壁の建設を中止し、移民関税捜査局(ICE)の不法移民摘発活動を100日間停止させ、さらに、不法移民が合法的な米国民になるための方法を検討すると約束している。
(翻訳編集・張哲)