「中国国有企業のカナダ鉱山買収を拒否すべき」 元将校、北極圏狙われていると警告

2020/12/02
更新: 2020/12/02

カナダ軍の元将校はこのほど、中国国有企業による同国の北極に位置する金鉱の買収案を拒否するよう、トルドー政権に呼びかけた。カナダ紙グローブ・アンド・メールが11月30日、報じた。

報道によると、中国国有企業である山東黄金鉱業有限公司は今年5月以降、トロントに本社を構える同業会社、TMACリソース(TMAC Resources Inc.)社の買収を進めている。買収金額は2億740万カナダドル(約167億円)だという。TMACは、北部ヌナブト準州のホープ・ベイ(Hope Bay)鉱山を保有している。中国側が同社を買収すれば、同鉱山を所有することになる。

同国陸軍の元少将であるデービッド・フレイザー(David Fraser)氏は、中国当局はカナダ北部地域を狙っていると指摘した。

グローブ・アンド・メール紙によると、カナダ軍当局は北極圏における中国共産党政権の経済的かつ軍事的な脅威が拡大しているとみて、同買収案に反対している。

これについて、フレイザー氏は、ホープ・ベイ鉱山は同国の西北方面の入口に位置し、カナダ軍の早期警戒レーダー基地に近いと強調した。買収案が成功すれば、中国当局に「北極圏へアクセスする道を与えたことになる」と同氏は警告した。

同鉱山は、ヌナブト準州ケンブリッジベイ(Cambridge Bay)にある北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)の北部早期警戒レーダー網まで約100キロ離れているという。

一方、フレイザー氏は、中国国営企業には中国共産党の組織が設置されており、国有企業は共産党の支配下にあり、共産党のためにスパイ活動を働く可能性が高いと指摘した。同氏は、カナダ政府は同買収案を審査する必要があり、北極圏地域における軍事力を拡大しなければならないと主張した。

(翻訳編集・張哲)