ポンペオ米国務長官は11月16日、訪仏したパリで現地紙フィガロの取材に応じた。中国共産党の脅威への対抗について「諦めたら、中国独裁政権の植民地になるだろう」と述べ、米国と欧州同盟国の団結を呼びかけた。
ポンペオ氏は、欧米など民主主義を支持する西側諸国が勝利し、自由主義の価値が守られるべきだと述べ、米トランプ政権は「フランスを含め、全世界で中国共産党に反撃するよう努める」とした。トランプ政権の掲げる米国第一主義について、単独的だとの批判を一蹴。過激派テロへの対応などを例に挙げ、保守的で現実的な立場をとることで、より広い世界の平和のために奉仕していると語った。
仏紙記者は、新型コロナウイルス(中共ウイルス)の継続的な影響により欧州経済がダメージを受けたことで、中国が欧州に戻っており、欧州の強硬的な対中政策論は弱まるのではないかと聞いた。中国官製メディアは「中国はウイルス危機から最も早期に経済と社会を回復させた」と宣伝している。
ポンペオ氏は、「武漢ウイルス」の世界的な拡散は「中国の独裁政権の表れ」とし、中国共産党から恩恵を受けるのは誤りだと指摘した。ポンペオ氏は、西側諸国企業がワクチンや製薬を開発しており、中国の経済的利益に頼ることなく、欧米経済は回復できると語った。
続けて、米国が伝統的な価値を対外的に発信してきたと述べ、その政策は日米豪印の安全保障対話「クアッド(QUAD)」であり、欧米関係であると述べた。
また、ウイルス危機に対して中国共産党は支援を表明しているが、警戒するよう訴えた。これは、中国共産党への融和政策の成功を認めたことになるからだという。ポンペオ氏は、短期的な成果は見えにくいかもしれないが、中国依存から脱却するために同盟国が納得するよう働きかけ、世論に対する説明も続けるとした。
「中国の権威主義的な政権への対峙を諦めてしまえば、最終的には植民地の立場になるだろう」とポンペオ氏は主張し、中国共産党によるベトナムの排他的経済水域に対する挑戦や、オーストラリアへの浸透工作などの例を挙げた。さらに、世界各国は独立性を保護するために、権威主義に対抗して団結を強める必要性を説いた。
(翻訳編集・佐渡道世)
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