米ハーバード大学法学部教授のアラン・ダーショウィッツ(Alan Dershowitz)氏は、大統領選挙で勝利宣言を行った民主党候補のバイデン氏について、米国の「法律および憲法」による根拠がないと批判した。
ダーショウィッツ氏は、米国憲法と刑法、刑事訴訟法などを専門とする有力弁護士でもある。今年1月、トランプ大統領の弾劾裁判で、大統領の弁護団に加わった。
同氏は、新唐人テレビの取材に対して、「次期大統領になるために、少なくとも270人の選挙人の承認を受けなければならず、または相手候補者が選挙に負けたと認めなければならない。今のところ、この2つの状況はどちらも起きていない」と話した。
「もちろん、バイデン氏は次期大統領と自称することができる。彼は305人の選挙人を勝ち取ったと言っている。トランプ大統領はこれに対して異議を唱える権利がある。これは言論の自由だ。政治に関わる問題でもある。しかし、法律や合憲性の問題として、いかなる人も今、次期大統領であると言う権利はない」
同氏は、トランプ陣営が、米下院に次期大統領の選出を決めてもらう意思があると推測した。米憲法修正12条の規定では、下院が次期大統領を決める場合、各州に1票ずつが与えられ、26票以上を獲得した候補者が次期大統領になる。現在、下院での議席は民主党が過半数を占めているが、州ごとでは「共和党が26対23で優勢になっている」とダーショウィッツ氏は語った。
同氏によると、米連邦法と憲法では11月3日からの5週間内(12月8日まで)に、候補者を決めなければならない。この期限内に決められなければ、12月14日、選挙人がそれぞれの州に集まって投票を行う。来年1月6日以降も、次期大統領を選出できない場合は、連邦議会で投票を行う。1月20日の大統領就任式までに、下院が大統領を、上院が副大統領を選出する。
ダーショウィッツ氏は、各地で訴訟を起こしたトランプ陣営に大きな進展がなければ、「12月半ば、共和党支持者の多い州の州務長官が選挙結果の認定を拒否するだろう。次期大統領の選出は下院で行われる」と示した。
同氏は、現在トランプ陣営が起こした訴訟のうち、少なくとも1件は米最高裁で審理される予定だと明かした。
電子投票システムによる集計不正問題について、ダーショウィッツ氏は「これまで、選挙においてコンピュータがこれほど大きな役割を果たしたことは一度もなかった。コンピュータの誤作動でトランプ氏への投票がバイデン氏にカウントされたことが事実であると判明した場合、多くのことが変わるだろう」と述べた。
同氏は「ネットワークス(メディア)は、法律上にも憲法上でも、選挙の勝者を宣言することはできないことを忘れてはいけない」と強調した。
(記者・MIMI NGUYEN LY、翻訳編集・張哲)