米大統領選の不正投票疑惑を告発したペンシルベニア州の郵便局員がSNS上で、連邦政府の捜査員から恫喝されたと暴露した。
米調査報道NPO、「プロジェクト・ベリタス」の創設者であるジェームズ・オキーフ(James O’Keefe)氏は11月10日、郵便局員のリチャード・ホプキンス(Richard Hopkins)さんへの取材動画をツイッターに投稿した。ホプキンスさんは、自身が告発を取り下げたという米紙ワシントン・ポストの報道は事実ではないと述べた。
オキーフ氏が6日に投稿した動画では、ホプキンスさんは、郵便局長の指示の下で、4日に届いた郵便投票の消印有効が、投票締め切りの3日に書き換えられたと話した。
これを受けて、米政府機関、郵便公社(USPS)の監察総監室(Office of Inspector General)の調査員がホプキンスさんに聴取を行った。オキーフ氏は、両者の会話を録音した音声データを公開した。
音声の中で、調査員のラッセル・ストラッサー(Russell Strasser)氏はホプキンスさんに対して、「あなたに少し圧力をかけようとしている(I am trying to twist you a little bit)」と話した。
ストラッサー氏は、会話の中で「私たちには、上院議員がいる。司法省も関わっている。私たちには…」と話しているところ、ホプキンスさんが割り込んできて、「トランプ大統領の弁護士から連絡を受けている」と言い返した。
これに対して、ストラッサー氏は「あなたに少し圧力をかけようとしている。あなたが信じようが信じまいが、あなたの頭はこれで働き始めるだろう」「私たちは自分の心や考えをコントロールするのが好きだ。そうすると、自分の記憶を納得させることができる。でも、私はあなたに特別なことをしてあげている。あなたが少しストレスを感じれば、頭が冴えるだろう。他のやり方でやってもいい。あなたの頭をよりクリアにさせることができる」と話した。
音声を公開したオキーフ氏は、この10分ほどの音声会話は、政府内部の捜査員が告発者を脅迫した証明だとした。同氏によると、ホプキンスさんは勤務先の郵便局から停職処分を下された。
一方、民主党主導の下院の監察委員会(Oversight Committee of House)は10日午後5時半ごろ、ツイッター上でコメントを次々と書き込んだ。
「郵便公社の監察総監室によると、ペンシルベニア州エリー郡郵便局の内部告発者が調査員の聴取を受けた後、上司が郵便投票を改ざんしたとの主張を完全に取り消した」
「事実は次の通りだ。リチャード・ホプキンスさんはペンシルベニア州エリー郡の郵便公社従業員だ。彼は投票の改ざんと不正を訴え、宣誓供述書に署名し、プロジェクト・ベリタスを通じて公開した」
「郵便公社の監察総監室の調査官は委員会に対して、先週金曜日にホプキンスさんを聴取し、ホプキンスさんは9日に主張を撤回したと通知した。なぜ彼が虚偽の宣誓供述書に署名したのかがわからないという」
同日午後8時頃、米紙ワシントン・ポストが掲載した記事で、匿名の当局者の話として、32歳のホプキンスさんが投票不正に関する主張を撤回したと報道した。同紙は、ホプキンスさんは同紙の取材に応じなかったとした。
しかし、ホプキンスさんを長く取材しているオキーフ氏によると、ワシントン・ポストが同記事を公開するまでに、ホプキンスさんは複数回同紙の記者に連絡し、自身が投票不正に関する主張を撤回していないと連絡しようとした。
オキーフ氏は「彼たち(ワシントン・ポストの記者ら)は、ホプキンスさんとの会話を拒否した」とツイッター上に書き込んだ。
ホプキンスさんをめぐって、オキーフ氏はツイッター上で、AP通信社のジェームス・ラポータ(James LaPorta)記者と激しい応酬になった。オキーフ氏は、「知っているか?海軍退役軍人のホプキンスさんは、今日午後私の取材に応じ、連邦政府の情報員から受けた仕打ちを話した時、泣いた。彼は、これはアフガニスタンでの作戦よりも辛いと話した」と明かした。
(翻訳編集・張哲)
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