中共ウイルス(新型コロナウイルス)が世界中に蔓延する中、中国中央統一戦線工作部が管理する非政府組織(NGO)が、韓国で、日本の名も借りた「韓中日ウイルスワクチン研究センター」を設立するという。
韓国・釜山日報は9月13日、中国最大の対外工作機関・中華海外聯誼会が、韓国で「韓中日ウイルスワクチン研究センター」の設立を推進していると報じた。建設場所は、民主党の有力議員・金斗官(キム・ドゥグァン)氏を通じて、梁山市にある釜山大学病院の未利用地に決まったという。
報道後、梁山の地元住民や市民団体、そして釜山の野党議員および一部の保守派は「韓国に中国のウイルス研究所を作らせるわけにはいかない」と強烈な反発を示している。
「ウイルス研究所設立」の報道を受けて、9月23日、慶南の70以上の市民団体が市政府正門で記者会見を開き、研究所周辺の地域に害を及ぼすことへの懸念を示し、設立に反対すると表明した。
報道によると、中国共産党は同研究所プロジェクトの建設費として8000億ウォン(約800億円)を負担するという。
大紀元記者は、金議員の事務所に電話インタビューしたところ、議員による梁山への計画誘致は事実であると認めた。しかし、「ただの提案であり、具体性はまだ何もない。企画書も提案書もない」と回答した。
また、設立予定地である梁山の釜山大学病院側はインタビューに対し、「建設計画はニュースで初めて知った」と答え、ウイルスセンターの計画は認知していないという。
また、梁山市役所の関係者も「この件については何も知らない」と述べた。「国の政策事業プロジェクトなら、市政府とは関係ない」と付け加えた。
日本当局も、この3カ国の名前をつけた韓国におけるウイルスワクチン研究センターに関する公式発表等はない。
厚生労働省は、日中韓三国特別保健大臣会合を5月に開催し、新型コロナウイルス感染症に関する共同声明を発表している。それには診断薬、治療薬、ワクチンなどを含め、「適時の予防や治療経験に関する情報、データおよび専門知識の共有を促進することに同意する」としている。
中共統一戦線によるウイルス・ワクチンセンター
国際外交の専門家である韓国・啓明大学国際学部の李志熔(イ・ジヨン)教授は、センター設立計画の背後にある中国共産党政権の狙いを理解するべきだと述べた。
李教授は、中国製ワクチンが韓国を通じて欧米からの制裁を迂回したり、米国および韓国とFTAに署名した国へ輸出販売されることが懸念されるという。李教授はまた、中国によるウイルス研究が環境危機を引き起こす恐れがあると指摘する。
2019年冬、中共ウイルスは湖北省武漢にある海鮮市場周辺を発生源として世界的に蔓延した。この市場の数十メートル圏内には、危険性が最も高い、バイオセイフティーレベル4のウイルスや病原体を研究する中国科学院武漢ウイルス研究所(以下、武漢研究所)がある。中共ウイルス研究の中心的な研究所としても知られている。以前、権威ある学術誌「ネイチャー」は、数千種類のウイルスを扱う武漢研究所は、ずさんな生物の管理による漏えい事故が起きており、今後も再発が懸念されると指摘していた。
香港大学公衆保健学部でウイルス学と免疫学を専攻した閻麗夢(エン レイム)氏は、「武漢研究所で作られた科学的な証拠がある」と主張している。
李志熔教授はまた、ウイルス研究所における海外人材および技術や研究成果の流失を懸念している。「中国は、依然として本土への人材計画を利用して、海外の優秀な人材や研究成果を盗んでいる」と強調した。
今回の研究所設立を提案した「中華海外聯誼会」は、NGO団体と称しているが、実際は、中国共産党の中央統一戦線工作部の傘下機関である。聯誼会会長の尤権氏は、第19回中共中央委員会書記で統一戦線工作部の部長も兼任する。
李教授は、「中国に純粋な非政府組織など存在しない。たとえそういう名前であっても、実際には党組織によって資金提供され、党の命令に従っている」と指摘した。
(大紀元日本語ウェブ)
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