インド軍が9月7日に中印国境地帯で中国軍兵士に向けて「銃声で」警告した。1975年以来初めての事で、国境をめぐる中印間の緊張が一段と強まっている。
中国国防省は8日、軍西部戦区の張水利報道官の談話を公表した。張報道官は、インド軍側が7日、中印国境西側に位置するパンゴン(中国名・班公)湖南岸の神炮山地域の実効支配線を越え、パトロール中の中国軍兵士を銃声で脅かしたため、「中国国境部隊はやむを得ず対応措置」を行ったとした。措置の具体的な内容は不明だ。
張報道官は、インド軍の行動は「重大な軍事挑発だ」と非難した。
インド軍当局は現在、声明を発表していない。インドメディア「India Today」は、政府情報筋の話として、中印国境で威嚇の射撃があったと報道した。また「Guarding India」の報道によると、中国軍の兵士が6日、神炮山地域のインド側に侵入した。インド軍側は6月の中印両軍の衝突で死傷者が出た状況を回避するため、中国軍に向けて威嚇射撃を行ったという。6日当時、同地域にいるインド軍側が30~40人だったのに対して、進出してきた中国軍兵士は約200人だった。
中印両軍は5月以降、国境地帯で複数回衝突し、緊張が続いている。9月4日、ロシアのモスクワで開催されている上海協力機構(SCO)の会議に出席した中国の魏鳳和国防相とインドのシン国防相は、事態打開に向けて会談を行った。双方は、問題解決に向けて対話を継続していくことで意見一致した。
インドメディア「The Hindu」は、中国側が7日、国防相報道官の談話を発表したことは、パンゴン地域の実効支配線をめぐる中印の対立が今後も続くことを示唆した、との見方を示した。
中印両国の外相は9月10日、SCO加盟国の外相会議に参加する際、再び会談を行うとみられる。
両国の国境警備隊は1975年以降、実効支配線付近で発砲したことはなかった。
(翻訳編集・張哲)
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