最近、駐スイス中国大使館の微博アカウントに相次ぎ、「スイス銀行に預金している中国の汚職官僚の名前のリストを公開するよう要求する」とのユーザーコメントが多数書き込まれ、中国ネットのなかで注目が高まった。
駐スイス中国大使館は8月14日、「中国とスイスの国交樹立70周年を祝い、全国の映画館の再開を祝福する」と微博に投稿した。しかし、ユーザーらは、このツイートに全く関連しない汚職官僚を批判するコメントを書き込んだ。
「まずは最初にこれらの盗まれた資金を凍結してほしい。そうすれば中国人民はあなたたちに感謝するだろう」「売国奴リストを発表して」「汚職官僚の財産のリストをできるだけ早く提供して」「悪の勢力に屈するな」「民衆はあなたたちがいつリストを発表するかだけに関心がある」「裏切り者のリストを発表してほしい。悪行をやめて、正義を守って」「リストを発表しないのならば、あなた方も悪の共犯者」などとユーザーらは書き込み、中国当局の汚職官僚への怒りを爆発させた。
ネットユーザーらのコメントで言及していた「100人のリスト」とは、「2019年にスイス銀行によって発表された100人の中国人の合計預金額が7.8兆ドル」というセルフメディアの作成した記事の中に出てくる100人の中国人預金者リストのことだ。中国財政部財政科学研究所の賈康氏が同記事を自身のブログで引用したことにより注目を集め、議論を巻き起こした。
賈氏は「スイスの銀行は中国人100人が同銀行に合計7.8兆ドルの預金を持っていると発表しており、計算すると1人あたりの貯金額は780億ドルだ。 もちろん、実際のデータはまだ調査中だが、もし本当だとしたら、どれだけ恐ろしく、がっかりさせられることか。深く考える価値があるのではないか? 」とブログに書いた。
同氏はまた「記事のシェアは同記事の見解に同意することを意味するものではない」と付け加えている。
その後、多くの微信公式アカウントは、富裕層の資産推定リストを作成した。2018年の中国版フォーブスの富豪リストによれば、780億ドルの純資産を持つ人は11人しかいない。「1つの銀行に100人もの『隠れ大富豪』がいるなど、中国の海外の資産は想像を絶するほど巨大だ」とあるユーザーは書き込んだ。
一部のアナリストは、「この人たちのお金は日の目を見ることがないため、安全なスイス銀行に預けられた」と指摘した。
何十年もの間、スイス銀行はその秘密性の高さから、世界の富裕層の脱税の避難所であり、また中国汚職官僚たちの保管パラダイスだった。
内部告発サイト・ウィキリークスによると、中国高官らはスイスの銀行に約5000もの口座を持っており、そのうち3分の2は中央レベルの高官で、中共の副総理から銀行総裁、大臣、中央委員までほぼ全員が口座を持っているという。
この数カ月間、米中関係は悪化の一途をたどっている。米国は貿易問題や民主主義の侵害、言論や信仰の自由など、多くの分野で中国と正面から対峙しており、最近も中国と香港の当局者に制裁を下した。これにより、中国当局者が米国とスイスに所有する海外預金や、彼ら自身がどのように資産のリスク回避を図るのか、中国ネット世論では関心が高くなっている。
先日、中国中央の重要顧問を務める余永定氏は、「米中の対立が激化する中、米国は中国の銀行を制裁するだけでなく、中国当局者の海外資産を差し押さえる可能性もある」と警告した。
先日、東欧を歴訪中のポンペオ米国務長官はチェコで演説し、旧ソ連との冷戦を引き合いに「中国共産党の脅威に対抗するのはより困難だ」と発言した。
ネット上に流通する未確認情報によれば、「ポンペオ氏は、中国当局者の少なくとも10兆ドルの海外資産の凍結を支援するよう、イギリス、スイスおよびEU諸国に求めた」という。
(大紀元日本語ウェブチーム)
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