米国のポンペオ国務長官は8月5日、国内通信事業における中国当局の脅威を排除する取り組み「クリーン・ネットワーク」計画を拡充すると発表した。長官は、米国民の個人情報や米企業の機密情報を盗んでいるとして、中国電子商取引大手アリババ、ネット検索大手の百度、IT大手の騰訊控股(テンセント)を名指しした。
長官は5日、「クリーン・ネットワークは、中国共産党などによる悪質な攻撃・侵入から、米国民の個人情報と企業の最も重要な情報を保護するための包括的なプログラムである」と話した。
「クリーン・ネットワーク」には、トランプ政権が今年4月に公表した「5Gクリーン・パス(5G Clean Path)」に基づき、次世代通信網(5G)分野のほかに、クラウドサービス、スマートフォンアプリ、電気通信事業者、海底ケーブルの分野を付け加えた。
5Gクリーン・パス(5G Clean Path)は、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を5G網から排除するための政策構想だった。
長官は発言の中で、複数回にわたって中国IT技術が「信用できない」と述べた。通信アプリ「微信(ウィーチャット)」など中国製アプリの使用を禁止にするほか、アリババや百度、テンセントなどの企業が米国内で運営するクラウドベースも制限する。
中国共産党政権がクラウドサービスを通じて、米国民の個人情報や中共ウイルス(新型コロナウイルス)のワクチン研究を含む米企業の貴重な知的財産にアクセスするのを阻止するためだという。
さらに、国際インターネット通信網を結ぶ海底ケーブルへの中国による侵入を防ぐため取り組んでいると長官は表明した。
日経アジア・レビュー8月6日付は、専門家の話を引用し、米政府のクリーン・ネットワーク計画には法的拘束力はないものの、中国IT企業、特に近年海外クラウド市場に進出しようとしているアリババとテンセントに大きな打撃を与えることは間違いないと伝えた。米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の学者は、クリーン・ネットワーク計画は、米与野党がともに中国IT企業の技術を信用していない現状を反映したと分析した。
米国務省が5日に公開した声明によると、クリーン・ネットワーク計画の勢いが増している。30以上の国・地域が中国当局のIT技術を排除した「クリーン・カントリー」となった。
(翻訳編集・張哲)
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