「粗末マスク」各国に使用拒否され 中国で原材料価格が暴落

2020/06/07
更新: 2020/06/07

中共ウイルス(新型コロナウイルス)のパンデミックが発生以降、中国共産党はイメージアップのために、「マスク外交」を積極的に展開していた。しかし、品質を満たしていないとして返品や廃棄が相次いでいると報じられている。海外からの注文が激減したため、価格が高騰したマスクの「心臓部」と呼ばれるメルトブローン不織布の価格は45万人民元(約688万円)/トンから2千人民元(約3万円)/トンまで暴落した。

中国メディアの報道によると、原材料のメルトブローン不織布の価格は1月から1.8万人民元(約27万円)/トンから上昇し続け、品質を問わず40万人民元(約612万円)/トンにまで値段が跳ね上がった。最盛期には時間ごとに価格が変動していったと業界関係者が証言していたという。

中国江蘇省揚中市でマスク工場を経営している徐さんは、メルトブローン不織布を製造する機械も1.2万人民元(約18万円)だった価格が感染拡大に伴って、3万人民元(約46万円)まで上昇した。高い時には15万人民元(約230万円)で取引されたこともあったと述べた。揚中市では、多い時に5000台ものの機械が稼働していたという。

しかし、このマスクバブルは4月15日に弾かれた。市内でメルトブローン不織布を製造する企業がすべて操業停止になり、国の指導が入った。45万人民元(約688万円)/トンで取引された「メルトブローン」がたちまち2千人民元(約3万円)/トンまで落ちた。

操業停止によって、市内にあった5000台の製造機械のほとんどが鉄くずの価格で処分された。

マスクフィルター層になるメルトブローン不織布は濾過率によって92%、95%、99%に分かれている。通常マスクの品質基準は耐油性なしの濾過率95%以上のものを求められている。80%以下の場合、原材料として使用できない。

マスク企業の責任者は濾過率が80%以下のものは、いくら安くしても、買い手が見付からないと中国メディアに述べた。90%以下のものも大幅に値下げしている。政府がマスクの管理を厳しくしたうえに、大手企業もマスク事業に参入、政府の注文をほとんど大手企業に持っていかれたことによって、中小企業はさらに窮地に追い込まれていると心境を明かした。

浙江省義烏市の衛生用品に関する事業者の李さんは今まで生産したマスクのほとんどは海外に輸出したが、医療物資の税関検査を強化されてから、政府関係者につながりのない業者だと、輸出許可がもらえず、赤字に転落していると嘆いた。

中国政府は中共ウイルスの感染が拡大する国々に医療物資や医師団を送る「マスク外交」を展開している。しかし、輸出したマスクの欠陥問題が次々と発覚、世界各国による返品および輸入拒否が相次いだ。

5月7日、米食品医薬品局(FDA)は中国企業60社以上に対して、米国市場に向けて高性能マスク「N95」を輸出する許可を取り消した。粗末な品が多く、中共ウイルスに対応する信頼性に欠けていることが原因だとみられている。

感染拡大以来、ドイツ政府は医療関係者のために中国から1億枚を超えるマスクを購入した。しかし、不良品が20%あったという。

4月25日、カナダ政府によると、中国から購入したKN95マスク100万枚は基準を満たさず、使用できないという。

4月24日、EUが中国製マスクの濾過率が不足で、感染につながるリスクが高いと「厳重警告」を出した。

4月8日、フィンランド国家緊急供給庁は、中国から購入した200万枚のマスクは「全部不良品」だと発表した。

4月。豪州政府は北京から輸入したマスクがまったく役に立たない不良品だと判明し、約80万枚を税関で全部押収した。

オランダ保健省は3月28日、21日までに中国から届いた130万枚のマスクはフィルターに欠陥があり、顔にもフィットせず、品質基準を満たしていなかったと発表した。

(大紀元日本ウェブ編集部)