中国のコーヒーチェーン「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」は5月19日夜、米ナスダック市場を運営する証券取引所ナスダックから上場廃止の通達を受け取ったと発表した。
ラッキンコーヒーは4月2日、内部調査を通して、2019年第2四半期から第4四半期にかけて、22億元(約335億円)の売上を水増ししていたことが判明したと明らかにした。これを受けて、同日、ナスダック市場ではラッキンコーヒーの株価が一時、81%安まで急落した。4月7日以降、同社の株は売買停止となった。
2017年10月創業のラッキンコーヒーは2019年5月にナスダック市場への上場を果たしたため、中国国内では「史上最速の米IPO(新規上場)」と称賛された。
ラッキンコーヒーの19日の声明によると、ナスダックは同社が重要情報の開示と上場規定を順守しなかったと指摘した。
同社はナスダックのヒアリング委員会に対して、事情聴取の要請を検討している。ヒアリング委員会が結論を出すまで、同社は上場を維持するという。事情聴取は申請日の30~45日後に行われる予定で、結果が判明するまで2カ月かかる。
中国国内メディアは、「電撃上場廃止」「史上最速IPO、神話が崩れた」などと一斉に報道した。
米政府は、ラッキンコーヒーの不正会計を受けて、米市場に上場する中国企業への監督管理を強化する方針を示した。ホワイトハウスは、投資家に向けて中国企業の証券を取引しないよう異例な呼びかけをした。
トランプ米大統領は5月14日、フォックスニュースの取材に対して、米政府は中国企業に対して米国の会計規則に順守するよう「非常に強く」要求していると発言した。
(翻訳編集・張哲)