十数年前から、山西省太原市清徐県のいくつかの村で、県政府による強制土地収用が起きている。 村民たちは、中央政府に苦情を申し立てても、当局は対応しないという。最近では、当局はならず者を雇って村民に暴力を振るっており、村民たちには成す術がない。
清徐県政府は、太原市環状高速道路の建設のために、地元住民から土地を収用した。 しかし、政府は土地収用の通知を出したり、土地取得の手続きを公開したりすることなく、村民の強制排除に出た。
村民らは2009年12月に請願を開始した。すると、山西省土地管理局と太原市土地管理局は、中央政府(国務院地方支部)に道路建設の承認を申請したが、承認されていなかったことを知った。
2011年、清徐県は承認されていないまま、環状道路の建設に着工した。村民は未承認工事であることを政府に訴え続けた。同年末、中央政府は「違法な道路」として清徐県政府に是正を命じた。しかし、2012年になっても県政府は工事を止めることなく、農家に収用に関する補償協定への署名を求めた。
清徐県荘子村の村代表である王国友さん(55歳)は、「中国の法治法制は健全だと思っていたが、この経験を経て、ろくでなし政府であることがわかった」と大紀元の取材に述べた。王さんによれば、県政府は荘子村で200ムー以上の土地を収用した。県政府は村民を欺き、脅し、連座制などを使って「同意の有無にかかわらず」署名を強要した。政府部門で働いている親族は、村民を説得できなければ仕事を失うという。
多くの村民はあきらめ、収用に合意するとの署名をした。
公安はならず者組織と結託 女性を蹴る
2012年4月1日、徐口鎮の道路建設を請け負う、総合管理事務所の丹生潤彬所長は建設を始めた。荘子村の代表は彼の甥が務めている。村民たちは、国務院の土地取得承認と土地の正式な手続きの証書を見せるよう求めたが、「作業は始めなければならない」と言った。
工事を阻止するために村人たちは工事現場に駆けつけたが、工事業者が雇ったとみられる裏社会組織の人員が彼らに暴行を加えた。「女性でも叩かれ、60歳を超える王さんの妻は投げ出された」「村人たちはあのような恐怖を見たことがなく、怖くて動けなかった」と王国友さんは語った。
王国友さんは、妻を現場管理者に蹴られたことで腹を立て、作業者を攻撃した。王さんは「暴行罪」で10日間拘留された。「叩かれるのは当たり前。反撃すればすぐに逮捕される。いじわるが当然のことのようになっている」 王さんは肩を落とした。
王さんはこの土地収用問題を上層政府に直訴するため、地方政府、北京にも出向いた。しかし、「現在の政府はどんなレベルにも取り合ってもらえない」ことを知った。
政府の強迫的な手段を恐れる荘子村の90以上の家族は、すでに道路建設とそれに伴う土地収用に合意する署名をした。王さん家族だけが署名を拒んだ。村民は「政府には勝てない、あきらめよう」と説得した。しかし王さんは「受け入れない。共産党が倒れるのを待っている。倒れる時まで、辛抱する」と言ったという。
王さんによれば、以前、共産党による強制性は中国全土に蔓延し、国民が声を上げることはなかった。しかし、王さんは北京で、大勢の地方市民が不遇を訴え陳情所に詰めかけているのを目にしている。
「今の様子では、共産党は終わりに近づいている。老いた農民の私までこのことが分かっている。『民心を失っては、政府は暴力的な支配以外、何もできない。それなら暴力団と何の違いもない』」
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