<中共ウイルス>英米メディア、「武漢実験室流出説」に再び注目

2020/04/08
更新: 2020/04/08

英米メディアはこのほど、中共ウイルス新型コロナウイルス)が中国武漢市にあるP4実験室(バイオセーフティーレベル4実験室)から流出した可能性に再び注目し始めた。

英紙デイリー・メールは4月5日、英政府の一部の高官が中共ウイルスが武漢市のP4実験室である「武漢国家生物安全実験室」から漏えいした可能性を無視できないと認識していると報じた。

報道によると、英政府の「国家緊急事態対策委員会」(コブラ、COBRA)の高官は3日夜、最新の情報では同ウイルスが「人畜共通感染症」を引き起こすかどうかについて解明できなかったものの、同ウイルスが武漢のP4実験室から流出し、ヒトに感染した可能性は排除できないとの見解を示した。情報は、英諜報機関から提供されたという。

同高官は、「ウイルスの性質から、(武漢のP4実験室から漏えいしたという指摘は)信頼できる一つの見方だ」「武漢にこのような実験室があるのは偶然ではないだろう」と述べた。

一方、米ラトガース大学の化学・化学生物学教授のリチャード・エブライト氏は4月2日、米メディア「デイリー・コーラー(Daily Caller)」の取材に対して、中共ウイルスは実験室の事故によって人類に感染したと指摘した。

また、エブライト教授は、米紙ワシントン・ポスト(4月3日付)のコラムニスト、 デビッド・イグナティウス(David Ignatius)氏宛ての電子メールで、コウモリ由来のコロナウイルスは、武漢市の研究施設でバイオセーフティーレベル4ではなく、「バイオセーフティーレベル2の状態で研究された。このレベルでは最低限の保護措置しか提供されていない」と指摘した。

米誌「ナショナル・レビュー」は4月3日、ドキュメンタリー映画製作者のマシュー・タイ(Matthew Tye)氏による中共ウイルスの調査を紹介した。

中国に10年以上在住し、中国語を流ちょうに話すタイ氏は、昨年11月18日と12月24日、武漢ウイルス研究所がウェブサイトに掲載した研究員の募集に注目した。

同研究所の昨年11月18日の募集要項は、コウモリ固有の独特な免疫系を研究するために1、2人の博士研究員を募るという内容であった。「主要研究方向」項目では、「コウモリを研究対象にし、コウモリが長い間にエボラ、SARS関連コロナウイルスと共存できる上、感染されないその分子機制、またそれと飛行や寿命との関係性を調べる。ウイルス学、免疫学、細胞生物学と複数のオミクスなどの手法で、コウモリとヒトや他の哺乳類動物の相違を比較していく」と記されている。

武漢ウイルス研究所が昨年11月18日に掲載した募集要項(同HPよりスクリーンショット)
武漢ウイルス研究所が昨年11月18日に掲載した募集要項(同HPよりスクリーンショット)

また、12月24日付の「武漢ウイルス研究所の石正麗チームによる博士研究員募集」では、「コウモリ由来ウイルスの種間感染およびこれによる病原性」などを研究するとした。

昨年12月24日の募集要項(武漢ウイルス研究所HPよりスクリーンショット)

タイ氏は、募集要項は「新しく恐ろしいウイルスを発見したため、それに対処する研究員が欲しい」とのメッセージを送ったと分析した。また、同氏は中国国内ネット上で、武漢ウイルス研究所の女性研究員である黄燕玲氏が「0号感染者(初発症例)」ではないかとの憶測に言及した。

しかし、中国当局はこの憶測を否定した。武漢ウイルス研究所も同サイト上に掲載されていた黄氏のプロフィールを削除し、今年2月16日に出した声明で、黄氏は2015年に同研究所で修士課程を修了した後「他の省で勤務し、武漢に戻ったことはない。現在、新型コロナウイルスに感染しておらず、健康である」とした。中国のネットユーザーは「黄燕玲氏を探そう」とのキャンペーンを起こした。しかし、黄氏は見つかっておらず、ネットユーザーらは黄氏は「すでに死亡した」と推測した。

「ナショナル・レビュー」誌は、広東省広州市にある華南理工大学生物科学および工程学院の肖波涛教授が2月、科学者向け国際情報共有サイト「リサーチゲート(ResearchGate.net)」に投稿した論文を取り上げた。肖教授は、武漢市華南海鮮市場では、野生動物を販売しているが、コウモリは売っていないとした。教授は、中共ウイルスは、同海鮮市場から30キロ離れた武漢ウイルス研究所のP4実験室か、または海鮮市場からわずか280メートにある武漢市疾病予防管理センターから漏れたとの見方を示した。

同誌は、中国当局が6週間にわたってウイルスのヒトからヒトへの感染を否定し続けたことから、武漢の実験室からの漏えいを否定する中国当局の主張は信用できないとし、独立調査が必要だと指摘した。

(翻訳編集・張哲)