米国国務省は3月13日、世界の人権状況をまとめた「2019年人権報告書」を発表した。ポンペオ米国務長官は記者会見で、宗教信仰者に対する中国共産党による迫害は、昨年と同じ「世紀の汚点」との表現を使い、厳しく非難した。
報告書によると、中国では引き続き、超法規的な処刑、強制失踪、拷問、恣意的な拘留が起きており、ジャーナリスト、弁護士、作家、反体制派、請願者とその家族に対する個人攻撃と刑事訴追が相次いでいる。
報告書はまた、中国共産党が政治的および宗教的信者を脅して、特に法輪功学習者に対して「合法的な」教育センターを設立していると指摘した。
ポンペオ長官は13日の記者会見で、中国政府はハイテク監視システムを駆使して、反体制派、異見者を監視し、拘留施設で宗教信者を拘束していると述べた。さらに「中国共産党は以前から信仰者を憎んできた」と述べ、共産党体制の人権状況は、昨年に続き「世紀の汚点」と例えた。また、ジャーナリストを脅迫することで報道させないようにして、悪事を隠そうとしているとした。
信仰者への暴力
海外に亡命した人権派弁護士の陳建剛氏はこのほど、大紀元メディアグループの新唐人テレビの取材を受けた。陳氏は数多くの法輪功迫害に関する裁判を担当していた。
「多くの法輪功学習者は、良い人たちだった。しかし、逮捕されて、ほぼ例外なく老若男女を問わず、全員が拷問されていた。収監所では虐待されていた。私の知る限りでは、女性に対する暴力は特に悪質だった」と述べた。
陳氏は、中国から出国した際、法輪功案件の判決書を持ち出しており、警察の拘束を含め、中国共産党の罪悪が記録されているとした。「いったいどれほどの人が拷問に耐えられるだろうか。あの性的暴行は残忍で悪辣だ」という。陳氏は、警察は収容所で、男性囚人を女性の法輪功学習者に性的暴行を加えるようにそそのかしていると語った。
今回発表された米国務省の「2019年人権報告書」は、中国共産党の臓器移植について、違法性を示す直接的な証拠はないが、一部の医療や倫理関係の組織は、中国政府は良心の囚人、特に法輪功学習者の臓器を強制的に摘出したと非難し続けていると指摘している。
同報告書によると、オーストラリア国立大学が中国共産党の臓器提供に関する公式統計を研究した結果、中国の臓器移植の「自発的なドナー」に関するデータは偽りだとした。
これについて陳氏は、中国共産党は生きた人から臓器を摘出している問題について、複数の内部情報や法輪功学習者たちの証言、被害者家族の話などから、信憑性が高いと見ている。「私が直接会った人は、1、2年の間に2回も肝臓を交換していた。腹部の傷跡を見せながら、手術の詳細や費用、病院の情報など、詳しく話してくれた」と付け加えた。
法輪功迫害に関して独自調査をするNGO組織・追跡調査国際は3月1日、2019年の法輪功学習者に対する臓器強制摘出についての報告を発表した。追査国際が、国内で移植手術が認められた178の病院を対象に調査を行ったところ、いまだに法輪功学習者に対する臓器摘出が続いており、実施件数も以前より増えていたとした。
(陳漢/翻訳編集・佐渡道世)
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