中国共産党は24日の中央政治局会議で、党の重要会議である第19期中央委員会第4回全体会議(四中全会)の開催日について、28~31日の日程で開催すると決定した。一部の香港メディアなどが、習近平総書記は同会議で後継者を指名すると報道した。専門家は党内江沢民派による偽情報の可能性があるとの見方を示した。
全体会議は中央委員の5年間任期の間、通常7回開催される。1978年の第11期第3回全体会議で「改革開放」路線が決定したなど、党・国の重要政策を決める場でもある。毎年、少なくとも1回が行われているが、前回の第19期中央委員会第3回全体会議(三中全会)の開催からは約20カ月が経過し、今回は異例中の異例といえる。米中貿易戦、台湾問題、南シナ海、香港の抗議活動において、現在党内の対立が激しさを増しているとみられる。
香港紙・香港経済日報などは、「党の意見がまとまらないため、開催が遅れた」などの憶測が飛び交っていると伝えた。今月中旬、シンガポールの次世代指導者とされた同国の王瑞傑(ヘン・スイキャット)副首相が中国四川省重慶市を訪問した。同氏は、中国共産党内序列7位の韓正・中央政治局常務委員と会談したほか、習近平氏の側近である陳敏爾・重慶市トップと会見した。
香港メディアは、王氏と陳氏の会談は、両国の次世代指導者の会談であると報じ、陳敏爾氏は四中全会で習近平氏の後継者に指名され、中央政治局入りの可能性が大きいとした。
また、台湾メディア「中央社」などは、中国共産党は今回の会議で、中央政治局常務委員の人数を現在の7人から9人に拡大すると伝えた。胡春華・副首相と陳敏爾氏は新たに常務委員に抜てきされるという。
中国政治に詳しい専門家から否定の意見が出た。
大紀元コメンテーターの石実氏は、「前例をみれば、四中全会で人事の変更があるかもしれないが、習近平氏が後継者を指定することはない」との認識を示した。
「習近平総書記は2022年の党大会で、党首と国家主席の続投を狙って、強い反対を押し切って昨年憲法改正を行い、国家主席と副主席の任期制限を撤廃した。今回の四中全会で、ポスト習近平を指名するならば、国家主席の任期制限撤廃の意味がなくなるだろう」
香港メディア「明報」の特別評論員である孫嘉業氏は評論記事で、「習近平氏が突如後継者を指名すると報じられたが、これは最近の同氏の政治スタイルと合っていない」と指摘した。
時事評論家の李天笑氏は、党内江沢民派が海外メディアに意図的に噂を流し、後継者問題で習近平氏への反発を企てたとの考えを示した。「目的は習氏と陳敏爾氏の仲たがいをさせることと、国家主席の任期制限を撤廃した習氏を暗に批判することにある」。
(記者・張頓、翻訳編集・張哲)
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