フィリピン国防総省によると、南シナ海で6月9日、中国船舶がフィリピンの漁船に衝突し、沈没させた。同省は、漁船にはフィリピン人の乗組員22人が乗船していたが、中国船は沈没船の乗組員を救出せず放置した。同省は、船員を生命の危機にさらしたとして、強く非難している。
デルフィン・ロレンザナ国防長官は12日、マニラで開いた記者会見で「私たちは最も強い条件で、(沈没させた)フィリピンの乗組員を放棄した中国船とその乗組員の臆病な行動を非難する」と述べた。
長官によると、衝突は9日夕方、同国西部のリード礁付近の排他的経済水域 (EEZ) 内で発生した。フィリピン漁船は当時、停泊しており、衝突により沈没した。
船に残された22人の乗組員は、後にベトナム漁船に救出された。長官は、ベトナム漁船の船長および乗組員の行動に謝意を示した。
フィリピン沿岸警備隊によると、フィリピン漁船はミンドロ島から出発した。
国防長官は中国政府に対して、事件に関する調査の実施と、事件再発防止のために外交的措置を講じることを求めている。
ここ数カ月、フィリピン海域では中国の船舶が多数確認されており、国内で大きなニュースとして取り上げられている。フィリピン軍は、2019年1月からパグアサ島付近では、600隻以上の中国船を監視していると発表した。
(編集・佐渡道世)
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