江戸時代後期以来、202年ぶりの退位に伴う儀式が30日、行われた。儀式の中で陛下は在位中最後のお言葉を述べられた。
30日午前、陛下は宮中三殿で、「退位礼当日賢所大前(かしこどころおおまえ)の儀」などの儀式に装束姿で臨まれた。
午後には「退位礼正殿(せいでん)の儀」が行われ、閣僚や衆参正副議長、最高裁長官、都道府県知事や市町村長の代表ら294人が参列した。
儀式では、侍従により剣と璽(じ)、勾玉(まがたま)が運び込まれた。天照大御神(あまてらすおおみかみ)が剣と璽、勾玉を孫神に授けたという神話に基づく。
安倍晋三首相が退位特例法による退位を宣言した。陛下は、30年あまりの務めの期間、国民との歩みに謝意を述べられた。
陛下は、「明日(あす)から始まる新しい令和の時代が、平和で実り多くあることを、皇后と共に心から願い、ここに我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」と新時代への思いを語られた。
両陛下は、剣と璽をささげ持った侍従と共に退出された。退出の際、陛下は壇を降りる美智子さまに手を差し伸べられた。
剣と璽は儀式の後、御所「剣璽の間」に再び戻され、5月1日に德仁(なるひと)親王が継承する。
(編集・佐渡道世)
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