中国人民大学がこのほど発表した「中国就職市場景気報告」によると、1~3月期の就職市場景気指数(CIER指数)が5年ぶりの低水準となった。中国経済の先行きが依然として不透明であることが浮き彫りになった。
北京にある人民大学の中国就職研究センター(CIER)は17日、ウェブサイトで同研究報告書を発表した。
報告書によると、1~3月期の中国の求職申請者数は前期比31.05%増で、この一方で企業側の求人数は同7.62%減少した。CIER指数は1.68ポイントまで下がり、2014年以来の低水準となった。昨年10~12月期のCIER指数は2.38ポイントだった。
報告書は、「中国のマクロ経済における総需要の低迷が、就職市場に圧力を加えた」とした。国内の就職市場を安定させるために、中国当局は大型減税などの供給側改革を実施すると同時に、総需要を拡大させる景気刺激策も強化する必要があると主張した。
全国都市別でみると、北京市の雇用環境が最も厳しく、CIER指数は0.24ポイントにとどまった。CIER指数のワースト2~10位は瀋陽市、ハルビン市、大連市、長春市、天津市、フフホト市、長沙市、包頭市、深セン市の順となった。
中国当局が17日に公表した統計によると、3月の全国都市部の調査失業率は前月比0.1%減の5.2%となった。しかし、3月全国31の大都市の調査失業率は同0.1%増の5.1%となり、およそ2年ぶりの高水準となった。
1~3月期の中国民間企業の求人数も前期比で13.05%減少した。求職申請者数は同52.94%増で、CIER指数は0.8ポイントとなった。前期の1.41ポイントから大幅に落ち込んだ。
同期の国有企業のCIER指数は、求職申請者数が大幅に増えたことで、0.43ポイントに低迷した。「1つのポストに対して、求職者2人が競い合っている」
中国では、今年約834万人が大学を卒業する見通しだ。人数として過去最大だ。
中国当局は今年3月に開催された両会(全国人民代表大会と全国人民政治協商会議)で、「積極的な財政政策」と「穏健な金融政策」とともに、初めて「雇用対策を優先課題に」を景気改善を図るマクロ経済政策として掲げた。
(翻訳編集・張哲)
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