トランプ大統領、台本なし2時間演説 次期大統領選に自信=CPAC

2019/03/04
更新: 2019/03/04

トランプ米大統領は3月2日、メリーランド州オクソンヒルで開催された保守派の年次集会「保守政治行動会議(CPAC)」で2時間演説し、米国の主要な課題を語った。大統領は、米国の状況は好転しており「2020年にはもっとうまくいくだろう」と、同年の大統領選挙の再選に自信を見せた。

「今日の台本は全くない。だから私は皆に選ばれたのだ」大統領は自らの言葉で2時間の演説を行った。このなかで、顕著な経済成長率、失業率の低下、製造業の復興、強力な軍事力、保守的な価値の重要性について強調した。

米国の関税制度は「国の貴重な財産を取り戻すもの」であり、貿易不均衡を是正しているとした。「あなたたち(保守派)の助けにより、何十年にもわたる裏切者による過ちから、米国は立ち戻ろうとしている。失敗の政権は、米国のお金で外国を豊かにしてきた」

社会主義を重ねて拒否

民主党は、オバマ前政権から電力エネルギーを風力、太陽光、バイオ燃料など自然エネルギーに大型投資する政策「グリーン・ニューディール」を掲げる。地球温暖化対策に公共投資して、新たな雇用や経済を生み出すというものだが、トランプ大統領はこれを「極端な考えだ」と一蹴した。

「風が止まれば、あなたの電力も終わりだというのだ。この政策なら、米国内のほぼすべての建造物が作り替えを余儀なくされる」。さらに「民主党は米国のすべてのエネルギーを買収しようとしている」と付け加えた。

大統領は、前日の1日にも開かれたCPACで登壇したマイク・ペンス副大統領と同様に、民主党が推す社会主義を非難した。「民主党は今、社会主義を推進している。個人の権利を完全な政府の支配に代替するものだ」「社会主義に正義や道徳はない。ただ一つ、階級支配のためのパワーになるだけだ」

ペンス副大統領は、民主党が社会主義を広げれば、米国はベネズエラの二の舞になると警告している。「国民皆保険制度やグリーン・ニューディールは目新しさのない経済理論に基づいている。この社会主義制度は数百万人を生活苦にして自由を奪った」

ペンス副大統領は、2020年大統領の対抗馬となる人物を名指しして、社会主義者であると述べた。「もしあなたが社会主義を求めるというのならば、ベネズエラの例を見るといい。一時は活力ある裕福な国だった。しかし、マドゥロ政権の圧制と社会主義により、10人のうち9人が貧困者になった」

南部国境の壁

トランプ大統領は、目玉政策である治安と安全保障のための南部国境の壁の建設について、追加予算を組みたいと述べた。「南部国境における法外なる混乱は、危険な犯罪組織に資金が渡ることを許している」「私たちは違法薬物、それを運び込む人たちに国を侵略されている。阻止しなければならない」

大統領はほかにも、民主党が後期中絶を容認していることを批判した。

北朝鮮の金正恩委員長との会談についても触れた。「私はベトナムから戻ったばかりだ。そこで、金正恩と非常に価値ある会談を行った」

大統領は、このたびの北朝鮮側の要求は受け入れられるものではなかったため、立ち去る必要があったと述べた。

(文シャルロット・カスバートソン/翻訳編集・佐渡道世)