米政府はこのほど、中国発のショート音楽動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」に対し、13歳未満の子どもの個人情報を違法に収集したとして、総額570万ドル(約6億3129万円)の罰金処分を下した。
TikTokを運営する中国の北京字節跳動科技有限公司(ByteDance、バイトダンス)は2017年11月、中国上海に本社を置く音楽動画作成アプリ「Musical.ly(ミュージカリー)」を10億ドル(約1108億円)で買収した。同アプリは欧米のティーンエイジャーから人気を博していた。Musical.lyを買収後、海外事業に力を入れてきた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)27日付によると、米連邦取引委員会(FTC)は、Musical.lyが13歳未満の児童のプライバシー保護関連法令に違反したと認定した。同法令では、ネット上で13歳未満の子どもの個人情報を収集する際に、保護者の同意を得なければならないと規定されている。
Musical.lyアプリでユーザー登録を行う際、ユーザーの電子メール・アドレス、電話番号、氏名、プロフィール、写真1枚の提出が必要。FTCのジョー・シモンズ(Joe Simons)委員長は、Musical.lyの運営元がユーザーのなかに未成年者が多くいると知りながら、個人情報を収集する前に、保護者の了解を得ていなかったと指摘した。
報道によると、TikTok側がFTCとの間で和解に合意し、570万ドルの罰金の支払いを決めた。
米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)27日付によると、米国内では、TikTokのユーザー登録アカウント数は6500万に達した。
バイトダンスの統計では、全世界の月間TikTokアクティブユーザーは5億人で、中国国内では月間アクティブユーザーは3億人いる。
いっぽう、米シンクタンクのピーターソン国際経済研究所(Peterson Institute for International Economics, PIIE)が1月に公表した最新調査報告で、TikTokが中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)のように、中国当局のために情報収集を行う可能性があり、西側諸国の国家安全保障にリスクをもたらしていると警告した。
(翻訳編集・張哲)
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