昨年9月中国当局に拘束されたウイグル人学者は、依然として消息不明になっている。ウイグル民族の絶滅を狙う中国当局は、ウイグル人インテリ層への締め付けを強化している。いっぽう、中国当局は今後5年以内にイスラム教の「中国化」を計画している。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)1月4日付によると、拘束されたのは、新疆ウイグル自治区カシュガル市にあるカシュガル大学で副教授を務めたムタリプ・シディク・カヒリ(Mutalip Sidikh Qahiri)氏(68)だ。カヒリ氏はウイグル語やウイグル文化、アラビア語研究の権威で、数多くの学術論文と著書を発表してきた。
中国当局は昨年9月、カヒリ氏の著書などを根拠に、「宗教とアラビア文化を広めている」との罪名で同氏を連行したという。
ドイツにいるカヒル氏の息子、タヒル・ムタリプ・カヒリ(Tahir Mutalip Qahiri)氏はこのほど、RFAの取材に対して「今も父についての情報が全くない」と述べた。
中国当局は近年、ウイグル人知識層に対する締め付けを強化している。RFAは、海外のウイグル人人権団体の統計として、近年約200人以上のウィグル人学者と学生が消息不明、または拘束されたと伝えた。
米紙ニューヨーク・タイムズ1月5日付によれば、ウイグル人100万人が収監されている強制収容施設には、著名な詩人や作家、大学の責任者や教授など、ウイグル人知識層100人以上がいる。専門家はウィグル人の伝統文化と歴史に精通する学者を迫害することで、中国当局がウイグル民族を絶滅させ、ウイグル人を無神論者に変え、最終的に中国共産党に服従させる狙いを実現しようとしていると分析。
また、中国当局はイスラム教と中国共産党が提唱する「社会主義」との融合に着手している。
中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」英字版6日付は、当局が5日国内にある8のイスラム教団体の代表者との会議を開き、今後5年間でイスラム教の「中国化」計画を決定したと報道した。イスラム教団体の代表者らは、イスラム教と社会主義との融合に賛成したという。
報道は、同計画の詳細や会議の情報に言及していない。
(翻訳編集・張哲)
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