中国国内メディアによる、中国国際航空(エアチャイナ)の香港発中国大連到着の便がこのほど、飛行中に高度1万1000メートルから4000メートルに急降下した事態が起きた。この影響で機内の酸素濃度が低下して、客室内の酸素マスクが下りてきた。中国当局は13日、原因は副操縦士が電子タバコを吸ったこととみて、調査を進めていると発表した。
エアチャイナCA106便は10日、現地時間午後7時11分に、乗客乗員162人を載せて大連へ向かって香港から離陸した。中国メディア「新京報」などによると、1人の乗客は、同便が離陸して間もなく、機内に「客室内気圧が低下した」との放送があり、酸素マスクが下りてきたと話した。
また、他の乗客の話によると、スマートフォンGPS機能で、当時同便は高度の1万1000メートルから4000メートルに急降下したと示された。
さらに、中国東部の山東省の空域に入った直後に、機内で再び「気圧が低下した」との放送が流れ、酸素マスクがまた降りた、と乗客が証言した。「酸素マスクが下りたままの状態で、大連に到着した」という。
中国の民間航空当局が調査を始めた。エアチャイナはソーシャルメディア「微博」を通じて、乗員に違反行為があった場合、厳重に処分するとした。
中国国内航空便情報サイト「航班管家」がSNS微博に書き込んだ情報によると、エアチャイナCA106が離陸した30分後に高度1万700メートルで飛行中、乗員がコックピットでタバコを吸った後、スイッチを誤操作して、機内の気圧が低下した。その後の与圧に失敗し、乗員が遭難信号「Mayday」を発信した。酸素マスクが出た際、高度はわずか3048メートルだったという。
「航班管家」の投稿について、ネットユーザーは、「乗客の命を軽視している。責任感が全くない」「乗員がコックピットで喫煙するような航空会社の飛行機に乗る勇気がなくなった」などと批判した。
一方、中国メディア「新民晩報」(13日付)の報道によると、民間航空当局の担当者が同日に行った記者会見で、初期の段階での調査結果を発表した。これによると、CA106便の副操縦士が電子タバコを吸った後、換気しようとして、誤って空調システムのスイッチを押した。この結果、機内の気圧が急低下した。副操縦士はスイッチを押す前、機長に知らせていなかった。当局は現在、事実の詳細を確認中だとしている。
(翻訳編集・張哲)