中国の華春瑩報道官に失脚の噂 23日ぶり記者会に姿を見せる

2018/03/04
更新: 2018/03/04

台湾メディアはこのほど、中国外交部の定例記者会見を担当する女性報道官華春瑩氏が中国当局に「国家転覆罪」の疑いで拘束されたと報道した。華氏は、外国記者の質問に常に険しい顔で臨み、中国当局の見解を代弁することで知名度が高い。中国外務省はこの報道を否定し、華氏は1日に23日ぶりに記者会見に姿を見せた。

台湾紙・自由時報(2月28日付)は、華氏の家から、当局は500万ドル(約5億3500万円)の現金を押収し、米国への移民関連書類などを見つけたと伝えた。「警察当局は、国家転覆罪の疑いで華氏を取り調べる方針」とした。

中国国内に、中国当局の見解を繰り返す同氏の姿勢を嫌うアンチが多くいる。ネットユーザーの投票で、13年華氏は「中国人渣(クズ)ランキング」の32位に選ばれた。 

13年の年初、中国有力紙「南方週末」が、広東省の宣伝部(報道検閲当局)の圧力で、同紙新年号の社説を共産党美化の内容に差し替えた。いわゆる、南方週末社説差し替え事件が起きた。

外交部の記者会見では、日本メディアの記者が華春瑩氏に対して、同事件が「報道の自由に反したのではないか」と質問した。しかし、華氏は、「いわゆる報道検閲制度は存在していない」「メディアには世論を監督する義務がある」などと返答した。

華春瑩氏のこの発言について、当時、中国人ネットユーザーは「ぬけぬけとでたらめを言っている」と非難した。これが理由で「クズランキング」に選ばれたという。

一方、香港紙・蘋果日報は、中国外交部が28日午後の記者会見で、華氏についての報道を否定した。同紙は情報筋の話を引用し、外交部の報道官らは交代制で休暇を取っているため、華氏は現在休暇中だとした。

華氏は2月5日の定例記者会見を最後に、28日まで公の場に姿を見せなくなった。

江蘇省出身の華春瑩氏は2012年に、外交部の報紙媒体司副司長に昇格し、報道官を兼任した。

(翻訳編集・張哲)