中国で13歳の少年が母親の頭部を切り落として殺害する事件が起きた。犯行後、少年は犯行の一部始終を録画してSNSの友人グループに投稿し、それを見た友人の母親が警察に通報し事件が発覚した。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、四川省大竹県在住の少年は3日夜、母親に金を要求したが断られて、口論になって犯行に及んだ。少年は母親の遺体を自宅に隠し、翌日からいつも通りに登校。3日目にSNS上の映像を見た友人の母親が警察に通報した。
警察は少年を逮捕したが、中国メディアは報道していない。RFAの記者が県役所、現地警察に電話取材を試みたが、対応した当局者は事件を認めたものの、詳細は明かさなかった。
RFAが入手した情報では、中国政府は未成年者による凶悪事件の報道を規制している。
近所の話では、少年は祖父母、両親と同居する5人家族。一人っ子でわがままに育ち、小学校時代から盗みを繰り返し、中学生になってから、覚せい剤を常用し、ネットカフェに入り浸り、周りに金を借りては返さないなど日頃から素行に問題が多かった。
中国では未成年者による家族殺害の事件が増えている。今年8月中旬、安徽省郎渓県の村で14歳の少年が母親を殺した。その日記には「母が憎い」「携帯をいじらせない、束縛が多い」などの言葉が綴られていた。
中国問題専門家は、「一人っ子政策」のもとで生まれた中国の若い世代には、自己中心的で極端な利己主義の「小皇帝」が多い。この現状は中国社会の人間関係に大きな弊害をもたらす、と指摘する。
(翻訳編集・叶清)