[シドニー 20日 ロイター] – 豪準備銀行(中銀)のエリス総裁補は20日、世界経済は1年前と比べ改善しているが、地政学的なリスクが経済の改善を阻害する恐れがあるとの認識を示した。
総裁補は「昨年末頃が(景気の)転換点だった。最近は一段の回復はみられないようだが、経済の拡大は一時的なものではない」と指摘。アジアの地政学リスクが「確率は低いが、影響度の高いイベント」であり、世界経済の先行きのリスクになるとの認識を示した。
欧州については、英国の欧州連合(EU)離脱が引き続き不透明要因だが、EUの存続を揺るがす危機はもう存在しないと指摘した。
国内経済については、家計の債務が高水準で、経済にショックが発生した場合に「影響を増幅する要因となる可能性」があるが、家計の債務がショックを引き起こす原因となる可能性は低いとの見方を示した。
総裁補は、世界経済は回復しているが、低インフレが続く限り、世界的に引き続き金融緩和政策が必要だと指摘。ただ、いずれ賃金の伸びと物価圧力が高まるとの見方は維持した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。