中国中西部の四川省茂県で24日、大規模な土石流が発生した。地元当局の発表によると、46世帯141人が行方不明になっている。道路1.6キロが埋まり、土砂が広がり、付近の川の流れが2キロにわたってせき止められたという。
20日から雨が降り続けていた影響で、同省アバ・チベット族チャン族自治州東南部にある茂県(もけん)の叠渓鎮新磨村が最も甚大な被害を被った。村全体が土砂に飲み込まれた。
被害の起きた周辺地域は、最高ランクの国家4A級(AAAA)観光風景区に指定される景勝地がある。比較的乾燥した土地だが、ここ数日は雨が降り続いていた。叠渓鎮の副鎮長は大紀元の電話取材で、「山崩れは数分で起きた」と述べ、地形的に救出活動は難しい状況にあることを明かした。「救助隊が現場に入るのも困難で危険。観光客や(被害者の)親類さえ入ることは出来ない」と話した。
新磨村には、観光バスが通う観光ルートにもなっている道路があったが、土砂に埋まり、通行できなくなった。
地元住民は電話取材で、「現場は混乱しており、救援活動は緊迫している。現在、救出された生存者は1世帯3人だけだ」と話した。被害の全容はまだ明らかになっていない。
香港の鳳凰ネットによると、美しい景観で知られるこの叠渓湖の周辺では、1933年にマグニチュード7・5規模とされる大地震が起きており、地盤沈下や山崩れで約3000人が死亡した。ネットでは「人間が住むのには適していない、政府は移住させるべきだった」とコメントした。
2008年汶川大地震の震源地に近かった茂県は、道路が寸断され、県内7割以上の家屋が倒壊し、3万人以上の人が家を失った。
今回の土砂崩れの原因について、汶川大地震の影響で地盤が緩くなったためとの分析が出ている。気象当局によると、24日から27日にかけて、にわか雨の可能性があるという。
(翻訳編集・王君宜)
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