「天安門事件」28周年ひかえ、中国当局ネット検閲を全面強化=RFA

2017/06/02
更新: 2017/06/02

1989年民主化を求める学生や市民の運動が中国当局に武力鎮圧された「天安門事件」は4日に28周年を迎える。中国国内のネットユーザーによると、このほど中国当局はインターネット上の言論統制を全面強化し、中国版ラインの「微信」のアカウントが強制閉鎖されるなどのケースが多くみられた。

米メディアのラジオ・フリー・アジア(RFA)(5月31日付)によると、国内で個人の会員制交流サイト(SNS)アカウントが強制閉鎖されるとともに、当局のネット検閲システムを回避し、海外のサイトを閲覧するためのVPN(仮想プライベートネットワーク」も接続不可になった。

国内人権団体の「中国人権観察」の伍立娟氏はRFAに対して、このほど海外のサイトへの接続が困難にあり、「最近携帯でも各サイトを開くことがで出来なくなった」「もうすぐ「六四」(天安門事件)の記念日になるので、当局が言論統制を強めている」と話した。

1989年6月4日、天安門広場の学生が鎮圧された後、前進する戦車の前に立ちはだかった単身丸腰の中国人青年王維林さん(「六四事件」資料)

伍氏によると、友人らの微信のアカウントやグループチャット、インスタントメッセンジャーのQQアカウントが強制閉鎖された。

同団体が運営する人権情報サイト「バラ中国(玫瑰中国)」も規制対象となり、中国国内では現在、VPNを経由しても閲覧ができなくなっているという。

中国食品安全問題についてSNSで多くの投稿をしたネットユーザーの朱雪琴氏も、自身の微信アカウントが閉鎖されて、微信でのグループチャットにもメッセージを送信できなくなったと、RFAに明かした。

国内の他のネットユーザーによると、当局は「詐欺の疑い」などの理由で微信アカウントを閉鎖している。

朱氏は「当局にとって敏感な時期になると、(ネット上で)数多くのアカウントが封鎖される」と話し、朱さんが自身の海外SNS「フェイスブック」アカウントで中国社会現状への不満について投稿した内容や写真も削除された上、アカウントも封鎖されたことに驚いているという。

中国当局は5月上旬に、『インターネットニュース情報サービス管理規定』を公表し、インターネットウェブサイト、掲示板、ブログ、マイクロブログ、インターネット生放送などの形式で国民に対してインターネットニュース情報サービスを提供する場合、当局からインターネットニュース情報サービスの許可を取得しなければならないとした。許可を取得せず、または許可範囲を超えてインターネットニュース情報サービス活動を展開してはならないとした。同規定は6月1日から実施。

「中国人権観察」の伍立娟氏は、「当局は現在言論統制を一段と強化しており、文化大革命よりも深刻だ」「国民の言論自由の権利を奪う当局の行為を強く非難する」と述べた。

(翻訳編集・張哲)