中国の李克強首相は9日、河南省鄭州市にある台湾鴻海(ホンハイ)精密工業傘下の富士康科技集団(フォックスコン)の工場を視察した。同社の郭台銘会長が自ら李首相に工場内を案内した。両氏は短い会談を行った。
中国国内メディアによると、「富士康科技園」を見学した後、李首相は郭会長に対して、フォックスコンがより多くのハイテク開発研究と全生産ラインを同科技園に留めるようと要請した。また、李首相は経営・ビジネス環境をよりいっそう開放し改善すると約束した。
いっぽう、郭会長は4月27と28日に、シャープの戴正呉社長とともに、今後米国での投資計画をめぐって、米国ホワイトハウスに訪問したばかり。今年1月、ホンハイとシャープは米国で8000億円規模の液晶パネル工場建設を検討していると発表した。
ホワイトハウスのナタリー・ストローム(Natalia Strom)報道官は4月29日の記者会見において、郭会長らはトランプ米大統領と短時間の会談を行ったと述べた。また、郭会長らは、トランプ大統領の娘婿で、大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏や、テクノロジー政策に関する大統領補佐官のリード・コーディッシュ氏、ホワイトハウスの米国革新局(OAI)メンバーらと、製造業の米国回帰やホンハイによる高賃金雇用機会の創出について意見交換をしたという。
台湾政府系シンクタンク、工業技術研究院産業経済趨勢研究センター(IEK)の楊瑞臨氏は、ホンハイは米国で液晶パネル工場のほか、人工知能や無人自動車生産、ビックデータなど各分野への積極的な進出意欲を見せているとした。
(翻訳編集・張哲)