香港など複数のメディアはこのほど、中国元国家主席の江沢民が4月17日夜に脳卒中で倒れ、上海市の病院に運ばれたと報じた。国内インターネット上では、江沢民が入院中とされる「華山医院」が検索禁止となった。
香港誌「争鳴」5月号によると、江沢民は散歩中に脳卒中を起こし、病院に緊急搬送された後、危篤状態から脱したが、現在下半身不随になったという。
8日、中国のソーシャルサイト・微博では、「華山医院付近の道路では厳戒態勢が敷かれて、周辺地域では交通整理が行われており、多くのメディアが構えている」との投稿が相次いだ。
この影響で、微博では「華山医院」がワード検索ランキングの1位となった。しかし、当局は同医院に関する投稿や情報をすべて削除し、同名称は検索禁止ワードにした。
現在「微博検索」で、ワードの「華山医院」を入力すれば、「関連する法律法規と政策に基づき、『華山医院』検索結果は表示できない」との検索結果になっている。
当局の措置に対して、一部のネットユーザーは「華山医院はどうしたの? 封鎖する必要はないだろう。生老病死は自然の摂理だから」と皮肉るコメントを書き込んだ。
近年、江沢民に関する「重病説」や「危篤説」「死亡説」などがよく流れるようになった。例えば、中国共産党第18回全国代表大会(18大)が開催される前の2011年や、習近平当局が江沢民派閥を念頭に行っている「反腐敗キャンペーン」「トラ狩り」が重要な節目を迎えた2014年、江派の重鎮だった徐才康と周永康が失脚し、同年にも江沢民が「病死」したと報じられた。
今回の「重病説」も、今秋に開催される予定の19大の前に報じられたため、習陣営による江派閥への新たなけん制だとみられる。
江沢民は2015年9月に行われた軍事パレードに出席したのを最後に、現在まで公の場に姿を見せていない。
(翻訳編集・張哲)