中国共産党の長老、故・羅瑞卿氏の息子で米国在住の羅宇氏(73)は、中国国家主席習近平氏に19通の公開状を送った。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材によると、公開状は「権力について、習近平君と論議する」と題され、民主主義体制への転換などをすすめるもので、2015年末から香港の大衆紙・蘋果日報にその都度、掲載された。
中国最高指導部筋からの情報によると、この公開状を習氏がすべて目を通し、それだけではなく共産党中央政治局常務委員会委員7人全員が公開状の内容を把握している。
以前の大紀元の取材で羅宇氏は、腐敗撲滅運動のもとで対立する江沢民派のメンバーを次々と失脚させ、自らの権力を強化している習氏に理解を示した。氏は「政治の主導権をしっかりと握ってから、民主主義体制に徐々に転換することを期待している」と述べている。
また大規模の腐敗は一党専制の政治体制では避けられないもので、腐敗の取締りを本心から支持する高官(幹部)は極めて少ないと指摘し、習氏が政治・社会不安を回避させる唯一の道筋は「国民の望むとおりに、段階を踏んで計画的に民主主義体制に移行すること」と見据えている。
氏は公開状の中で「六・四天安門事件」と、10年後に始まった気功団体・法輪功への集団弾圧は2大国家犯罪で、主導した江沢民元主席への法的責任の追究を習氏に進言した。習氏はすべて目を通しているという。呼びかけへの反応については、現時点ではまだ不明。
(翻訳編集・叶清)
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