「党員であることが恥ずかしい」共産党のマイナスイメージは常識に

2016/04/21
更新: 2016/04/21

中国共産党中央紀律検査委員会(中紀委)機関紙「中国紀検監察報」は3月24日、一部の党員が、党員の身分を、事情に合わせて公表したり隠したりしていると批判した。

同記事によると、ある地方政府の党員幹部が海外旅行するため、申請資料の政治状況項目に「非党員」、勤務先の項目は「自営業」や「無職」と書いた。しかし旅行から帰ると、党員の身分を呈示し、費用を公務費として清算したという。

ある大学生党員は就職する際、企業側に自分が党員であることを恥ずかしく思い、言わずにいる。また、ある党員幹部は、大きな仕事を任されたとき及び腰になるが、「昇進」と聞いた途端、わずかな業績や能力を誇張して自慢する。

同紙は「党員である身分を公にするかどうかは完全に自己利益を基準にしている」と批判した。

同記事は中国国内の多くのメディアに転載された。ミニブログサイト「新浪微博」では転載されて半日も経たないうちに、3万人以上のネットユーザーからコメントを寄せられた。

広東省恵州のネットユーザーは「就職活動で会社説明会に行ったら、党員を募集しないと明言した会社があった」と書き込んだ。浙江省杭州のネットユーザーは「大学で共産党に入党した人の目的はほとんど、卒業後に公務員になることで、党幹部から重要視されたいからだ。一般企業の社長はこういうのを信じない」と指摘した。

また自己利益で党員の身分を公にするかどうかについて、山東大学元教授は「共産党に入党して、その後、共産党の腐敗を知れば、もう自分を共産党員と認めたくなくなった。これは中国の、世界の流れだ。共産主義が大きな災いをもたらすことに気づいたら、捨てるべきだ」とコメントをした。

同様の話は、過去にもネットで話題となっていた。2011年5月中旬「新浪微博」では、ある党員の女子大学生が就職活動で企業の面接を受けたとき、面接官が「あなたは党員ですか」と質問したところ、女子学生は震えた声で「党員の中でも良い人はいます」と答えた。

在米中国政治評論家の陳破空氏は今月2日、米VOAの取材に対して「中国共産党員のイメージはすでに汚れていて、密告、裏切りと悪人の代名詞となった。党員らの入党の目的がすでに純粋ではない。ほとんどは利益を図り、特権を受けられるようにと入党を希望した。多くの党員が自らの党員身分を隠そうとしたのは、無意識的に自己否定しているからだ」と分析した。

「党員」はすでにソーシャル・ネットワーキングサービス(SNS)上でマイナス的な言葉となって、さらに人を罵るときに使う言葉になった。「あなたは党員だ」「あなた一家、みんな党員だ」などがある。 

 

国内メディアによると、2012年10月に四川省ある地方の副郷長がお見合いをテーマとしたテレビ番組に出演した時、副郷長が党員で地方公務員と分かった瞬間、出演した24人の女性は皆、拒否した。

ネットユーザー@TeYu Houは「国民は、共産党に入党したいという若い人は頭が悪いか、あるいは詐欺師かのどちらかだと思っている。大体頭の悪い人は少ない。詐欺師が多い」とした。

一方、中紀委は党員の党費納付問題について、機関紙「中国紀検監察報」で2回も評論記事を発表した。4月2日に発表した記事では、一部の国有企業の党員幹部が高い給料を受け取っていても、規定に沿って党費を納付しないという現象があると指摘した。また翌日の3日に、中紀委は同公式サイトの「学思践悟」のコラムにおいて、「党員幹部が組織を信じ、組織に忠誠を尽くし、どんなことがあっても自ら組織に対して全部話すべきだ」とした。

これに対して、大紀元の時事評論員・李林一は「中国共産党の話は逆の観点で見る必要がある。彼らが何かに言及したとき、それが彼らにとって欠けている部分を意味する。中紀委の記事では、党員の党費納付延滞と党員が組織の活動に参加しない状況が非常に深刻になっていると読み取れる」と分析した。

香港誌『争鳴』4月号によると、中国共産党中央組織部は3月16日、定年退職した党員幹部に対して、中国共産党章の規定に従い、毎月の組織生活に参加するように呼びかけている。病や用事などの理由で参加できない場合、改めて欠席の手続きをしなければならないという。報道によると、ほぼ半数の定年退職した党員幹部が組織の活動に参加していない。

中国軍元大将の次男である太子党の羅宇氏は以前、「今日の中国共産党は如何なる信仰、理想も全く持たなくなった。今入党したいと思う人たちは利益のためだけだ。党員の『利益』とは何か。汚職できるよう高官になりたい、ということだ。思う存分カネを貪ってから海外に逃げ出せばいいと思っているから」と指摘した。

中国共産党はイデオロギー的にすでに破滅しており、政治的信頼も失っている。深刻な信用危機と合法性を問われる危機に陥っている。国民が共産主義をもう全く信じていないことも事実だ。

世論からみると、大多数の国民は中国共産党が崩壊しそうになったと認識していることが分かる。中国共産党も崩壊の危機がますます深刻になっていることを認識している。

英フィナンシャル・タイムズによると、2013年新たに中国共産党に入党した人の人数が240万人で、12年と比べて25%減少し、03年以降入党人数が最も少ない年となった。また、13年地方公務員試験を受けた人も前年比12.3%減少した。

共産党関連組織から離脱した人を集計する組織「退党網」によると、今年4月12日までにすでに2.3億の中国人が中国共産党、共産党青年団と少年隊から脱退を表明した。

(翻訳編集・張哲)