中国国務院は2月19日、証券管理当局の中国証券監督管理委員会(証監会)の主席および党委員会書記の肖鋼氏を解任した。後任は改革派とされる中国農業銀行の劉士余会長が指名され、同証監会の第8代主席となった。20日付国営新華社が報じた。
昨年夏の中国の株価暴落と「サーキットブレーカー制度」で今年1月に起きた株式市場の混乱を経て、国内外の投資家は、証監会トップ解任により今後の中国株価相場の動きに注目している。
これまでの統計によると、前任の7人の主席が就任した際、国内株式市場では好感し短期的な株価上昇があった。その7人の主席が就任した後初めての取引日終値が前日営業日比では4回の下落と3回の上昇となった。就任後の初めての取引週間終値は、同2回の下落と5回の上昇となった。
22日、中国株式市場では証監会トップの交代が好感され、投資家から今後株式市場など金融市場の改革の加速化との観測が広がり、主要株価指数の上海総合と滬深300指数(CSI300指数)の終値は前営業日と比べて、それぞれ2・4%高と2・2%高となった。
証監会トップの交代で短期的に投資家の心理は好転するだろう。しかし、株価相場の中長期の動きは今後の証監会の政策方針、国内経済状況と人民元の動きなどのファンダメンタルズ要因によって変わるとみられる。
劉士余氏は2014年5月に中国政府が発表した資本市場改革に関する『資本市場の健全な発展の更なる促進に関する若干意見』、いわゆる新国九条について完全に支持すると発言し、多層的資本市場の発展と金融リスク管理を強調した。
一方、20日付中国国営中新社は劉氏が証監会主席に就任した後、「株式発行登録制の改革、株価相場の暴落暴騰をいかに回避するか、創業板(新興企業ボート)改革を含む多層的資本市場の発展と(金融市場と証監会自身の)監督管理」と4つの難題に直面すると指摘した。
中国民生証券研究院の管清友院長は中新社に対して、現在、中国資本市場に関連する改革の中で登録制の改革が最も重要だとの見解を示した。現行の証監会による認可制では、認可できられるようと企業側が証監会の一部の官僚に対して賄賂を渡すなど、双方の癒着や汚職が多数あったと指摘されてきた。登録制では手続きの簡略化で企業の株式発行がより速く実現でき、株価もより市場の需給を反映できるとされる。
(翻訳編集・張哲)
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