中国オンライン旅行業者大手「携程」がこのほど発表した『2016年旧正月大型連休中の海外旅行動向報告書』によると、中国旧正月(2月8日)に合わせて、7日から13日までの約1週間となる大型連休に海外で過ごす中国人は過去最高の約600万人に達する。人気の高い海外旅行先は日本、韓国、タイ、台湾、シンガポール、香港などのアジア各国。経済効果を期待して、各国間の「競争」の激しさが増している。
最も人気の日本では、日本製品を爆買いする中国人観光者をより多く取り込むために、各百貨店やホテルや商店街は相次いで、売り場の拡大や中国語での接客対応の充実や割引、粗品の進呈など、特典の実施などを行っている。中国国内の報道によると、昨年2月下旬の旧正月大型連休では約45万人の中国人旅行者が日本を訪れ、消費額は約9億米ドル(約1053億円)に達した。
韓国観光公社は今年の旧正月期間には約15万6000人の中国人観光者が韓国を訪れると予測する。前年同期比で約18%増という。同公社は20日までに、韓国人気俳優イ・ミンホ氏が出演する観光関連プロモーションビデオを視聴した中国人観光者を対象に、最多200元(約3600円)のお年玉を贈呈することを発表した。
また韓国のソウル市政府は、中国人旅行者向けに旧正月期間市内で音楽イベントを行うほか、主要観光地で観光や買い物などの情報を提供するなどの対応を行う方針。
韓国政府は中国人観光者の滞在期間60日から90日に延長し、ビザ申請者年齢制限を今までの55歳から60歳に引き上げた。
タイ観光当局も旧正月大型連休期間中、約100万人の中国人観光客が同国を訪問すると予測。当局は中国語の観光パンフレットを増刷した。首都バンコクでは、多くの店舗では中国伝統音楽の演出を行い、一部のレストランでは旧正月に合わせて中国の伝統料理を用意している。
タイ政府当局によると、今年は約3200万人の外国人観光客がタイを訪れ、中国人観光客が最も多いと予想。2015年にタイを訪問した中国人観光客は800万人を上回った。
一方、近年では毎年130万人の中国人観光客が訪れるマレーシアでは、政府は1月から中国人観光者を対象に電子ビザの発給を開始した。また、今年3月1日から12月31日までの期間中に、マレーシアに滞在する日数が15日間以内であれば、ビザが免除されると発表した。
そのほか、イギリス、オーストラリアなどの国も相次いで中国人観光客へのビザ緩和措置を打ち出している。
(翻訳編集・張哲)
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