「検閲は厳しいくせに、問題には責任をもたない」「あれもこれも禁止」―。映画やテレビ、書籍など監視する中国共産党文化部は20日、ミニブログ・微博(ウェイボー)に公式アカウントを開設した。大量に寄せられたコメントは、大半が政府に対する不満だった。
開設3日でコメントは30万件を超えた。あるユーザの分析によると、当局がコメントを削除するスピードと、ユーザがコメントを書くスピードが同じだという。現在は、コメント数は13万件前後になっている。
その内容は、文化部を監督し、国内メディアやインターネットを検閲する中央宣伝部に対する不満だった。
たいてい中国では、このような政府の批判的なコメントが続くと、欄を封鎖するが、なぜか文化部は今もコメントを禁じていない。
ユーザ数億人を抱えるSNS・微博のなかで、当局対国民がくりひろげるコメント書き込みと削除の競争は注目された。下記は、コメントの一部。
「あれも禁止、これも禁止。テレビをつけても反日動画などプロパガンダばかり。インターネットも『翻墙』しなければ正しい情報を知ることが出来ない」
「政府は私たちがどんな本を読むか、どんなテレビやネットを見るか、何の話をしているのか厳しく管理をするが、何を食べるのか、どこに住むのか、病気の場合どうするのか、子供が学校に行けなくなったらどうするのか等については一切責任を持たない」
「自分の『趣味』に合わせて動く集団(訳注:中央宣伝部)がいる。ドラマや映画の一部シーンをカットし、書籍や新聞の文章を削除して、見たい写真を塗りつぶし、歴史を歪曲し、音楽を聞こえなくし、美人と思っていない人の姿を消した。これは、文化のファッショであり、精神にたいする暴政だ」
(翻訳編集・山本アキ)