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「小皇帝」成長を拒む=中国ブログ

2015/10/30
更新: 2015/10/30

30年以上続く中国の一人っ子政策で生まれた問題は多い。両親と双方の祖父母から過保護過干渉を受けた子は、しばしば「小皇帝」と例えられている。中国の著名なブロガー劉植榮は、この子供が自立できるかを疑っている。以下は、この問題について書かれた劉氏のブログ記事の抄訳。


2012年のクリスマス。英デイリー・メールは、子供たちがサンタクロースに最も強く願うのは、「妹や弟がほしい」だったと伝えた。

中国の子供たちは正反対だ。伝えられるところによると、5~6歳児に姉妹・兄弟がほしいか尋ねると、すぐさま「いやだ!」と答える。「美味しい食べ物や家をめぐり、ケンカするから」という。

子供たちは、周りの大人の話をよく聞いている。一部の中国人は車や家、お金のことばかり話している。子供を物質主義にさせている。

また多くの親は、子供を過保護にしている。苦労から学ぶ「生きがい」を知らずに育った子供は、老いていく両親の世話を受け続ける。依存心が強く、無能な世代が生まれた。

中国の法律では、両親の法的責任は18歳まで。しかし、親の大半は、子供が大人になっても金銭的な援助を続ける。例えば大学の学費や生活費、結婚の準備として住居や車の購入など。

子供たちは結婚後も、食事をまかなってもらうために、ひんぱんに両親を訪ねる。両親が亡くなれば、住居を手にすることもでき、あくせく働く必要もなくなる。このアダルトチルドレンたちは、「啃老族(こうろうぞく 訳注:老人にしゃぶりつく人々の意)」と揶揄される。

個人的には、社会や両親の負担にならないよう子供を自立させるためには、できるだけ早く資金援助を止め、仕事をさせるべきだと考える。そして、家族を助け、社会に貢献させなければならない。

子供が親にお金を求めることは、正しいことではない。自分が作ったお金で、車や住居、電子機器を買い、高度な教育を受けるようにするべきだ。両親に頼ってしまえば、一生懸命に働く意欲を失うだろう。

たとえ両親が大富豪であっても、欧州や米国の多くの大学生は、授業費のために学生ローンを利用したり、働いたりしている。米国学生ローン協会によると、学費に親の援助を受けた学生は、半数に過ぎない。

また米国カレッジ・ボードの研究では、自分で授業料を払った学生は比較的に成績が良いという。自身の大学教育は、自ら懸命に働いた稼ぎにより支払われるので、そのチャンスをもっと大切にする。

米国統計局の調査によると、米国で両親と一緒に暮らす子供は、20~24歳が48%、25~29歳では21%だ。英国では、25歳~34歳なら15%、デンマークはわずか2%だという。

中国のように「両親の世話になり続ける」ことが主流文化となる社会では、子供たちは自ら何か達成しようと努力する意欲さえなくしてしまうだろう。また独立自尊の精神、勤勉健闘の意識、価値と富を創造する原動力を失ってしまい、国は衰退の一途をたどることになる。

(翻訳編集・佐渡 道世)