米国政府は、大規模な中国のサイバー攻撃に対し、反撃に出ることを決めた。米メディアが伝えた政府高官の話によると、有効策として、中国政府の検閲システムの解除が挙げられているという。
オバマ政権は、対中国のサイバー抗争を悪化させずに、大規模な対米サイバー攻撃への有効な方策について機密の検討会議を開いた。米ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が7月31日に伝えた。
この会議で、従来のスパイウェア駆除ツールでは、広範囲にわたる中国からの猛攻に対応できないとの結論に至った。
しかし、会議参加者らは反撃の度合いを把握できずに苦慮している。例えば、外交上の抗議や在米中国人スパイを追放するような象徴的手段は、あまり効果的でない。一方、当局者による強固な手段は、米中関係に摩擦を生じさせる可能性がある。
より懸命な手段「中国政府の検閲システムの解除」
複数の匿名米政府高官が明かしたところによると、会議で提案された最も創造的な手段の一つは、中国政府の検閲システムを解除することだ。つまり、対米サイバー攻撃を抑えなければ、中国当局の国内における言論封殺が打破される危険性があると、中国政府に思い知らせることだという。
米連邦政府の人事管理局(OPM)がサイバー攻撃に遭い、2150万人分の連邦政府職員らの個人情報が盗まれたことについて、ジェームズ・クラッパー(James Clapper)米国家情報長官は6月25日、中国のハッカーに侵入された可能性が高いことを明かした。しかし、オバマ大統領はこの件について、公に中国に対して批判していない。
米国家安全保障局(NSA)は同国の経済や軍事、政府部門などが受けた「攻撃被害地図」を公表した。その地図からは、過去5年間、全米約600社の民間企業と政府系企業が中国からのサイバー攻撃を受け、しかも、商業中心地であるほど、攻撃の焦点となることが分かった。
米フォックス・ニュースは7月25日、情報セキュリティ専門家・経済学者のスコット・ボルグ(Scott Borg)氏の話として、「驚異的な経済成長を維持するために、中国政府はサイバー攻撃を利用して情報を盗まなければならない」と分析を述べた。
ボルグ氏によると、サイバー攻撃を通じての重要なビジネス情報の入手は、中国の経済開発戦略の基本的な部分であるため、こうした行動を緩めることは極めて難しい、と述べた。
(翻訳編集・王君宜)
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