【大紀元日本6月22日】イタリア検察当局が、中国人297人と中国の大手国有銀行・中国銀行(Bank of China)のミラノ支店に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)などの容疑で訴追したことが明らかになった。フランス通信社(AFP)などが21日までに報じた。
公開された検察の訴追状によると、2010までの4年間に不法就労者の搾取や、偽造、売春、脱税などで不正に取得した45億ユーロ(6300億円)以上がイタリアから中国に流れた。うち22億ユーロ(約3000億円)が中国銀行のイタリア支店を経由して送金された。中国銀行は75万ユーロ(約1億円)を手数料として受け取った。
「カネの流れ(River of Money)」と呼ばれる今回の捜査は2008年に開始され、イタリアのトスカーナ地方の中国人犯罪組織をターゲットにしていた。事件に関わった297人のほとんどはイタリアに在住する中国国籍者で、うち中国銀行の職員が4人。一部の犯罪手法がマフィアに似たところもみられた。
イタリア検察当局によると、中国当局に協力を求めたが回答を得られなかった。イタリア国内の複数の都市からMoney2Money(M2M)の送金サービスを通じて不法送金が行われていた。資金がいったんイタリアを離れると、中国の「グレートファイアウォール」(ネット検閲システム)に潜り込んで姿を消した。
イタリアの司法制度によると、裁判所はその後、訴追状の内容を審査し、正式に受理するかどうかかを判断するという。
繊維産業が盛んなトスカーナ州プラート市は、イタリア有数の巨大チャイナタウンとして知られる。人口18万人のうち、中国人が2万人を占めている。
(翻訳編集・王君宜)
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