【大紀元日本3月18日】中国の人権調査団体は最新の年次報告書で、中国政府は江沢民政権下の1990年代中頃と同じく人権擁護者を拘留し、厳しい状況だと指摘した。
アメリカ拠点のNGO中国人権調査団体・中国人権保護(Chinese Human Rights Defenders,CHRD)は15日、「沈黙のメッセンジャー」と題した2014年年次報告書を発表した。調査対象の人権擁護者および団体は、人権弁護士、ウイグルやチベットなど少数民族、地方労働者、法輪功含む思想や宗教など幅広い分野に及ぶ。
同報告書によると、中国共産党の支配外にある人権団体に対する拘束者は増加し、2014年には少なくとも955人の活動家が拘束された。また多くのケースで拘束は正式な法的手続きを踏んでいないという。
CHEDのレネ・シャア代表は、習近平政権発足から2年経つが、初期よりも(人権状況)は厳しくなった」と述べている。また、中国共産党が「外国の影響」とみなす言論の自由や報道の自由、学習の自由の締め出しに関する命令も2014年は増加した、と指摘する。
「抑圧的なシステムに疑問を呈し、基本的人権の保護を求めた人々は、政府の報復に遭った。拷問、拘束、行方不明、脅迫と虐待などあらゆる手法が取られている」と、CHEDは伝えた。
30ページにまとめられた報告書では、人権弾圧に関する様々な事例を記した。例えば「テロ対策」の名のもとに、イスラム教を信仰するウイグル族の弾圧を強め、同民族の学者や活動家を拘束した。
また、地方労働者の権利を擁護する弁護団9人を拘束した例や、最近では3月8日の国際女性デーに合わせて女性の権利擁護を訴える活動をしていた女性活動家5人が、一時拘束や行方不明になったことなどを伝えた。
CHEDは表現の自由や集会の自由、信仰の自由、弁護士や抑留者の法的保護、少数民族への差別などの項目を並べ、「自由を奪われたすべての人々」を解放するよう中国政府に訴えている。
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