【大紀元日本3月3日】中国旧正月の休暇期間(2月18~24日)には、45万人の中国人が日本を訪れ、日本製品を購入して60億元(約1140億円)を落としていった。円安効果もあり、大型家電や家具を買い込み、家財すべてを「日本式」にするため、海上コンテナ運送を特注した人もいるほどだ。
大挙する中国人は歴史遺産や風習などの日本文化には強い関心を示さない。目的は買い物だ。安心・安全・高品質と評判の高い日本製品を大量に買い込む行動は「爆買」と揶揄される。魔法瓶や炊飯器、テレビやエアコン、化粧品や健康補助食品など、親戚や友人の分まで購入を依頼された訪日中国人は、数十万~数百万円単位でお金を落とす。
信頼度の高い日本製品は、中国国内では2倍~3倍の値段で売られる。最も人気があるのは魔法瓶、セラミックナイフ、ウォシュレット付きトイレ、炊飯器だ。例えば、中国大手ネット通販・タオバオでは、タイガー社製の子供用魔法瓶は680元(約1万3千円)で販売されている。
購入される日本製品は、食品や家電、日用品のみならず住宅家具に及ぶ。ネットメディア・網易によると、上海浦東国際空港では日本からの帰国者の購入品である大型「お土産」の運搬を、知人らが手伝う姿が多く見かけられる。小型トラックが駐車場で待機し、冷蔵庫やバスタブ、テレビ、空気清浄器、トイレなどが次々と運ばれていく。
運搬を手伝った友人の話によると、この旅行者は最近住宅を購入し、家財すべてを「日本式」にしたという。空輸に加え、大型家財は海上輸送とした。運搬料は1万5千元かかり、追加関税を支払ったものの「国内で安価なものを買うよりも、確かな品質の日本製品」を選んだ。
訪日中国人の増加要因3つ
円安とビザ緩和訪日客の増加を促し、免税対象製品の拡大などが購買額を押し上げた。円は昨年比で15%~35%下げ、ビザ交付条件は緩和され、マルチ入国ビザの取得者は大きく増加した。免税対象も制度改革が行われ、これまで家電やバッグ、衣料品などが対象だった消費税の免税が、食料品や飲料品、医薬品、化粧品などを含めた「全品目」に拡大し、消費を促進した。
また日中間の航空券料金が下がったことも条件の1つだ。石油サーチャージ料の引き下げにより、往復2000元程度で購入できるようになった。
旧正月の連休が終わると、桜の開花時期も人気の観光シーズン。新たな爆買を呼び込むための花見商戦がいよいよ始まる。