【大紀元日本1月15日】アジア最大の富豪とされる香港の李嘉誠氏(86)が9日、自身が率いる2大グループ企業の長江実業と和記黄埔(和黄)の資産再編・再上場プランを発表した。「経営リスクの回避、株主の最善の利益確保のため」としている。中国の景気減速が続くなか、世界の商業界でも影響力を持つ李氏の「脱香港・脱中国」の動きは人民元や中国資産が暴落するなど経済情勢を悲観視している可能性もあるとの見方が出ている。
同発表によると、合併後の新会社は長江和記実業(長和)と長江実業地産(長地)となり、登記地はともに香港からケイマン諸島に移した。長和は不動産分野以外の事業を保有し、長地は不動産事業を保有・運営するという。
李氏は昨年3月、香港から資本撤退しないと表明したが、新社登記地の変更で事実上、香港から資本撤退の姿勢を見せている。同氏は2013年以来、中国や香港を中心にアジア資産の売却を加速させ、香港の資産を欧州に移転し欧州での事業を拡大しようとしている。
李氏企業の高級幹部らは、「登記地の変更は香港の発展に確信を失うことではなく、経営上の便宜を図るだけだ」と繰り返し強調していたが、複数の中国や香港メディアは李嘉誠氏が中国や香港の経済に見切りをつけたと解釈している。中国で投資評論家と証券アナリストとして活躍している総合金融情報サイト「喜投網」の黄生・代表取締役社長によると、李氏の「脱香港・脱中国」の動きが危険信号である。つまり、「人民元や中国資産が暴落する可能性がある」とみている。
黄氏は「李嘉誠氏は2013年8月以後、中国不動産の売却に入り、中国不動産バブルのピーク時で中国投資からは身を引いた。今回はこれほど大きな決断を下したのは、きっと政治的または経済的制約などを考慮し、なにか微妙な変化の気配を察知したのだ」との見解を示した。
中国の企業家からベンチマークと見なされている李氏の脱中国化は中国経済が危険なレベルに達していると同氏は指摘する。さらに、高いリターンが期待しにくくなり、景気鈍化が長期化し、バブル崩壊によって、人民元や中国資産が大幅に切り下げられる可能性も高いという。
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