「体制から恩恵を受けた人ほど党に批判的」 政府系メディアが調査

2014/09/16
更新: 2014/09/16

【大紀元日本9月16日】8割を超える中国の市民は現在の社会が「不健康」だと思っていると、共産党機関紙・人民日報系雑誌『人民論壇』のアンケート調査で明らかになった。社会の健康度について行われた同調査は「信仰の欠如」、「他人に対する冷淡さ」、「信頼の危機」、「ネット依存症」、「富を見せびらかす」、「自虐の心理」などの現象が横行し、社会が病んでいると指摘した。

8015人の参加者は社会の健康度を10点満点で評価し、点数が高いほど健康的である。その結果、82.1%の人は合格ラインの5点以下の点数をつけた。6点以上と評価した人はわずか17.9%にとどまっている。

同調査はさらに、「自虐の心理」について「共産党を批判し、体制に恨みを持つ」と定義し、「体制から恩恵を多く受ける体制内の人ほど、党を強く批判している」と付け加えた。共産党の宣伝機関だけあって、この定義付けにネット利用者を中心に批判の声が上がっている。

「共産党を批判すれば心に問題があるとでも言いたいのか」

「この定義に基づけば、欧米の先進国は全部、自虐的になってしまう。この世の中、正常なのは北朝鮮と中国だけになる」

「健全な社会に異議と批判が必要。逆らう者は全員、敵だと思えば、ファシストになってしまう」

「体制に恨みを持っていない人はきっと、甘い汁を吸った既得権益者とその手下だ」

一方、体制から受益している人も共産党を批判していることについて、「今、体制内の人は一般市民よりも共産党を恨んでいる」とこの調査報告が唯一、正しいことを言ったとネット利用者は「評価」した。

この現象について、「一般市民よりこの体制をよく知っているから、共産党にもっと批判的になった」、「市民が知っているのは氷山の一角。体制の暗部は中にいる人でなければ、知るすべがない」と利用者らは解釈した。

(翻訳編集・江音)