【大紀元日本9月8日】中国では中秋節の夜に月餅を食べるのが伝統的習わしである。しかし、月餅は月のように輝かしい一面もあれば、「暗黒な一面」も存在する。それは、不正と腐敗の横行に伴い、賄賂を贈る際の道具にされやすいからである。
5日付の米政府系メディア、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、中国の汚職摘発機関、中央規律検査委員会の王岐山書記は8月25日、全国政協会議で月餅を利用した腐敗現象を批判した。「今時の月餅は本来持つ意味が薄くなり、価格もますます高騰している」。中国では金メッキが施されている月餅や中に金が包まれている月餅、中にいろいろな物を詰めている風変わりな「月餅」が続々と登場している。
そのため、王書記は月餅を利用した腐敗現象を整理する必要があると提案した。
近日、メディアの多くが王書記の言葉を引用している。そのおかげで、腐敗一掃の情報が急速に広まった。一方、中秋節の月餅市場にも大きな打撃を与えた。
中秋節前の月餅市場は売り上げが大きく伸び悩んでいる。5日付ロイター通信は、中国で「月餅の郷」と呼ばれる呉川の月餅協会の販売データを引用し、今年の販売量は去年の半分ほどで低迷していると伝えた。
「香港経済日報」は3日付の「月餅の売り上げが『トラを叩く』効果を反映」と題する論評記事で、政府は「三公消費(海外出張費、公用車経費、接待費)」規制の強化を継続するという。特に中央規律検査委員会が告発窓口を設けたことで、月餅製造業者らは今年、売り上げ好調の期待がまたはずれるものになっていると述べた。
王書記は、腐敗一掃運動は少なくとも5年は継続するだろう、と語った。
(翻訳編集・鈴木真弓)