【大紀元日本8月19日】香港で17日、江沢民元国家主席88歳の誕生日のこの日に、一見変わった市民デモが行われた。参加者は金銭に釣られて参加した、との疑惑が強まった。
主催者は「香港福建社団聯会」。デモの主旨は、2018年開催予定の次期長官選挙で市民直接投票(普通選挙)の実施を求める市民団体の活動「平和占中」に反対するため、と掲げられている。
主催者の発表では、参加団体は1500に及び、参加者数は19.3万人に達する。
当日の参加者たちは赤や、白、黄のTシャッツで統一された。中国の国旗を持つ人も大勢いた。香港メディアの報道によると、多くの参加者は、「平和占中」のことを知らないと答え、デモの主旨をわかっていない様子だ。また、「人に連れてこられただけ」と答える人も少なくなかったという。
複数の香港メディアの記者は参加者に扮して潜入取材を行った。
そのうちの一社、「明報」の報道によると、参加者には香港一日観光無料バスツアーのほか、謝礼金、みやげ袋などが用意された。同紙の記者にも300香港ドル(約4千円)が支給されたという。
各社は裏づけの映像や写真を公開した。
大紀元時報香港支社の記者がデモ現場で聞き取り調査を行った結果、参加団体の大半は国内組織の分枝であり、多くは本土からの参加者であることも、わかった。
複数の香港市民は大紀元時報香港支社に、「デモに参加すれば金がもらえる、との誘いを受けた」という情報を寄せた。
「デモのコストは1億香港ドル(約13.4億円)を上回った」と専門家は試算した。
ではなぜ、この高価なデモを行ったのか。
香港では返還17周年の記念日である今年7月1日、市民の直接投票による次期トップ選挙(同普通選挙)の実施を求めて、51万人参加のデモが行われた。いままで同トップ選挙の立候補者は、親中央政府の委員会が決定してきたため、市民は普通選挙を求め続けてきた。「平和占中」運動もその一環である。
江沢民元国家主席の誕生日に行われた今回のデモ。「裏で糸を引いているのは、江沢民派かその支持者であろう。狙いは7月1日のデモに対抗し、香港の民主勢力を威喝するため」と大紀元時報のコラムニストは分析した。