【大紀元日本2月18日】国連調査委員会は17日、拉致や拷問など、北朝鮮での人権侵害に関する報告書を公表し、人道に対する罪への責任を追及するため、国際刑事裁判所(ICC)への付託や国連特別法廷の設置を国連安保理に勧告した。これに対して中国政府は同日、反対すると表明した。AFP通信の報道によると、中国側は同報告書が発表される前にすでに反対の意思をちらつかせていた。
北朝鮮の人権状況を調べる調査委員会は昨年3月に設立され、その役割は北朝鮮での人道に対する罪を立案調査すること。372ページに及ぶ報告書は1年間の調査に基づくもので、韓国や日本、英国、米国にいる脱北者の証言をも盛り込み、強制労働収容所でのリンチ、強姦、殺戮に関する被害者証言も含まれている。
同調査委員会のカービー委員長は、北朝鮮の強制労働収容所で囚人は「ナチス同然の、形容できないほどの拷問を受けている」と述べた。
同報告書は、「数多くの人権侵害の事案を発見した。みな人道に反する犯罪である」と綴り、国連安保理にICCへの付託を勧告した。
この動きに対して、北朝鮮の盟友である中国は早々に待ったをかけた。中国外交部の報道官は、「人権問題は建設的な対話で解決すべき」と従来の堂々めぐりの論調を並べた。
国連安保理で中国が拒否権を発動すれば、ICCへの付託が事実上不可能になる。
(翻訳編集・叶子)
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